◎EU諸国は今年、アフリカ・中東・アジア系移民の大量流入に直面している。
チェコ共和国とオーストリアは3日、不法移民が増加していることを受け、スロバキア国境の入国チェックを再開すると発表した。
両国によると、この措置は10月4日に発効し、10日間維持される予定だという。両国は今年初めにも同じ措置を取っていた。
チェコとスロバキアはビザなしで往来できるシェンゲン圏に属している。
オーストリア放送会社(ORF)は内務省報道官の声明を引用し、「スロバキア国境の検問強化は人身売買組織を取り締まる取り組みのひとつである」と伝えている。
チェコ内務省もこの措置で人身売買組織の活動を抑え込みたいとしている。
シェンゲン協定加盟国はこの1年、不法移民の取り締まりやコロナウイルスの蔓延防止など、さまざまな理由で国境警備を一時的に強化してきた。
チェコ内務省の報道官によると、ポーランドなどの近隣諸国も同様の措置を取る予定だという。
チェコ警察はスロバキアの国境検問所に警察官130人を配備する予定。検問所以外の国境フェンス周辺などもパトロールするという。
スロバキア政府は3日、チェコの決定を批判し、欧州全体で移民問題に対処する必要があると指摘した。
ドイツは先週、さらなる移民の流入を防ぐ取り組みの一環として、ポーランドやチェコとの国境にあるとされる人身売買ルート沿いに警察の増援部隊を配備した。
EU諸国は今年、アフリカ・中東・アジア系移民の大量流入に直面している。多くの移民が豊かな西欧に向かう途中、チェコやオーストリアの領土を通過する。