オーストリア、14歳未満のSNS利用禁止へ
政府は6月末までに法案を閣議決定し、その後議会での審議を経て制度化を目指すとしている。
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オーストリア政府は27日、14歳未満の子どもによるソーシャルメディア利用を禁止する方針を打ち出した。若年層の心身への影響やオンライン上のリスクが国際的に問題視される中、同国も規制強化の流れに加わる形となる。
政府は6月末までに法案を閣議決定し、その後議会での審議を経て制度化を目指すとしている。具体的な施行時期は未定だが、年齢確認の方法については個人情報の過度な収集を避けつつ、実効性を確保できる技術の導入を検討している。オンライン上での年齢確認とプライバシー保護との両立が焦点となる。
今回の規制の目的は、子どもを有害コンテンツや依存性の高い仕組みから守ることにある。近年、ソーシャルメディアのアルゴリズムが利用時間を引き延ばす設計になっているとの指摘があり、過度な使用が不安や抑うつ、睡眠障害などを引き起こす可能性が懸念されている。また、暴力的・性的なコンテンツや偽情報への接触、ネットいじめといったリスクも問題となっている。
シュトッカー(Christian Stocker)首相はこうした問題が長年放置されていたとし、未成年者の保護を強化する必要性を強調している。規制は特定の企業やサービスを対象とするのではなく、一定の条件を満たすソーシャルメディア全般に適用される見通しである。
同時に政府は、単なる禁止措置にとどまらず、教育面での対策も重視している。学校教育においてメディアリテラシーやデジタル技術、人工知能に関する理解を深める取り組みを強化し、子ども自身が情報を適切に扱う能力を育てる方針だ。
こうした動きはオーストリアに限られたものではない。オーストラリアではすでに16歳未満のSNS利用を制限する法律が施行され、インドネシアでも同様の規制導入が予定されている。欧州でもフランスやスペイン、デンマーク、イギリスなどが年齢制限や利用規制の強化を検討中で、世界的に子どものオンライン環境を見直す機運が高まっている。
一方で、規制の実効性には課題も残る。年齢を偽ってアカウントを作成することは技術的に完全には防ぎきれない可能性があり、過度な規制が若者の表現の自由や情報アクセスを制限するとの懸念もある。また、家庭や学校での指導との役割分担も問われることになる。
オーストリア政府の方針はデジタル時代における子どもの保護のあり方をめぐる重要な試みといえる。規制と自由、保護と教育のバランスをどのように取るかが今後の焦点で、その成否は他国の政策にも影響を与える可能性がある。
