◎警察官にケガはなかった。
アルメニア・首都エレバンの警察署に男3人が押し入り、手榴弾を爆発させた。警察が24日、明らかにした。
それによると、この爆発で男3人のうち2人が負傷し、病院に搬送されたという。警察官にケガはなかった。
地元メディアは内務省関係者の話しとして、「3人はテロ等準備罪で逮捕された」と伝えている。
報道によると、この3人は警察署の入り口に1時間以上立ちふさがり、手榴弾を爆発させると警察官を脅したという。
その後、警察の特殊部隊が現場周辺を封鎖。最終的に3人を拘束することができた。負傷した2人の容体は明らかにされていない。
内務省の報道官は3人が警察署の前で何を要求していたか明らかにしていないが、一部メディアはエレバンに拠点を置く極右組織の構成員を釈放するよう求めていたと報じている。
それによると、この組織は係争地ナゴルノカラバフにおけるアゼルバイジャン人の移転計画に反対しているという。
ナゴルノカラバフは国際的にはアゼルの領土とみなされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける反政府勢力の支配下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。
アゼル政府は昨年9月、アルメニアの破壊工作員が仕掛けた地雷により兵士2人と民間人4人が死亡したことを受け、ナゴルノカラバフへの「対テロ作戦」を開始。アゼル陸軍の集中砲火を受けたナゴルノカラバフの反政府勢力はまもなく降伏し、アゼル政府の要求を全面的に受け入れた。
これにより、30年にわたるアルメニア人支配に終止符が打たれ、市民約12万人がアルメニアに逃れた。
両国は昨年12月、戦争捕虜の交換と平和条約締結に向けた作業を開始することで合意した。しかし、アルメニア国境地域の多くの住民はこれをアゼルによる領土侵害とみなし、境界画定に抵抗している。
アルメニアのパシニャン(Nikol Pashinyan)首相は19日、ナゴルノカラバフと周辺地域の境界画定を拒否すれば、新たな対立を引き起こしかねないと警告。地元住民に理解を求めた。