アルメニア当局、反政府デモの指導者逮捕、政権転覆企てた疑い
被告は「聖なる闘争」と呼ばれる反対運動を率いており、アルメニア政府が昨年、宿敵アゼルバイジャンに係争地ナゴルノカラバフのいくつかの集落の支配権を譲渡し、関係正常化に合意した後、数万人規模の抗議デモを率いた。
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アルメニアの捜査当局は25日、著名な宗教指導者をテロリズム関連の容疑で逮捕し、政権転覆を企てたとして起訴したと明らかにした。
使徒教会のガルスタニャン(Bagrat Galstanyan)大司教は検察庁が主導する調査委員会によって逮捕され、爆破や放火攻撃、電力インフラの破壊、幹線道路で事故を引き起こして交通を麻痺させる計画などを立てていたと非難された。
司教の弁護士はこれらの容疑を「フィクション」と呼び、パシニャン(Nikol Pashinyan)首相が反対派を弾圧していると主張した。
被告は「聖なる闘争」と呼ばれる反対運動を率いており、アルメニア政府が昨年、宿敵アゼルバイジャンに係争地ナゴルノカラバフのいくつかの集落の支配権を譲渡し、関係正常化に合意した後、数万人規模の抗議デモを率いた。
被告はパシニャン氏に辞任を要求。アゼル政府からナゴルノカラバフを取り戻すよう要求している。
アゼル政府は23年9月、アルメニアの工作員が仕掛けた地雷により兵士2人と民間人4人が死亡したことを受け、ナゴルノカラバフへの「対テロ作戦」を開始。アゼル軍の集中砲火を受けたナゴルノカラバフの反政府勢力はまもなく降伏し、アゼル政府の要求を全面的に受け入れた。
ナゴルノカラバフは国際的にはアゼルの領土とみなされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける反政府勢力の支配下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。
アゼル軍の勝利により、30年にわたるアルメニア人の支配に終止符が打たれ、市民約12万人がナゴルノカラバフからアルメニアに逃れた。
パシニャン氏は25日、ソーシャルメディアへの投稿で、「治安機関がアルメニアを不安定化させ、権力を奪おうとする犯罪的なオリガルヒ聖職者の陰謀を阻止した」と書いた。
地元メディアによると、捜査当局は被告に近い人物を含む13人も逮捕したという。
当局は一連の家宅捜索で銃器や爆発物など、複数の証拠を押収したとしている。