◎アルメニア人居住区とナゴルノカラバフを結ぶ唯一の道路は数カ月前に封鎖され、緊張が高まっている。
アルメニアとアゼルバイジャンの国防省は11日、係争地ナゴルノカラバフで戦闘が勃発し、兵士少なくとも7人が死亡したと発表した。
アルメニア人居住区とナゴルノカラバフを結ぶ唯一の道路は数カ月前に封鎖され、緊張が高まっている。
ナゴルノカラバフはアゼルの領土とみなされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける分離主義勢力の管理下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。
この地域で2020年に発生した紛争では両軍合わせて6000人以上が死亡、数千人が負傷したと報告されている。
両国は2020年11月、ロシアの仲介で停戦に合意した。アゼルはナゴルノカラバフの大部分を奪還。アルメニア人は土地を追われた。
アルメニア国防省によると、アゼル軍はナゴルノカラバフの国境約3kmの地点で土木作業を行っていたアルメニア兵に発砲したという。これにより、アルメニア兵4人が死亡、6人が負傷した。
一方、アゼル国防省は声明で、「アルメニア軍が攻撃を仕掛けてきたため、応戦した」と主張。アゼル兵3人が死亡したと報告した。
両国防省によると、戦闘はナゴルノカラバフとラチンを結ぶ道路で発生した。
この地域に駐留しているロシア軍はラチンと道路を保護する任務に当たっている。
しかし、環境活動家と称するデモ隊は昨年末、アルメニアがこの地域で違法採掘を行っていると主張し、道路を占領し始めた。
アルメニア政府はアゼル政府がこのデモを仕組んだと非難している。
一方、アゼル政府はアルメニア軍が協定を無視してナゴルノカラバフに地雷を輸送・設置するためにこの道路を利用したと主張している。
ナゴルノカラバフでは道路の封鎖により食料が不足。アゼル当局はこの地域へのガス・電力供給を定期的に遮断している。