◎10年以上赤字で運航していたアリタリア航空の事業は、10月15日に発足した国営航空会社ITAに引き継がれた。
2021年10月20日/イタリア、首都ローマの広場、アリタリア航空の客室乗務員たち(Federico Mariani/USB video/AP通信)

10月20日、イタリアの首都ローマで国有化されたアリタリア航空の元客室乗務員約50人が制服を脱ぎ捨て、下着姿で政府に抗議した。

10年以上赤字で運航していたアリタリア航空の事業は、10月15日に発足した国営航空会社ITAに引き継がれた。

ITAはアリタリア航空から一部の航空機を引き継ぎ、15日から運航を開始した。主要な国際便はミラノ⇔NY便、ローマ⇔NY便、ローマ⇔東京便などになる予定と伝えられている。

地元メディアによると、アリタリア航空の労働組合はITAに再雇用された職員の賃金は以前よりかなり低くなったという。ITAはアリタリア航空の職員推定10,000人のうち2,500~3,000人を再雇用している。

解雇された元客室乗務員たちはカピトリーノの丘の上にある公共広場に並んで立ち、社給品のショルダーバッグを石畳の上に置き、その後、ゆっくりとオーバーコート、ジャケット、スカートを脱ぎ捨てた。

元客室乗務員たちは下着とハイヒールだけを身につけた状態で数分間沈黙し、一緒に「私たちはアリタリア航空の客室乗務員です!」と何度か叫んだ。

労働組合は政府に失業手当を5年間延長するよう求めている。

アリタリア航空は1946年設立。2001年9月11日の米同時多発テロの影響で経営が悪化し、事実上国有化された。

2007年、エールフランスはアリタリア航空の買収に意欲を見せたが、紆余曲折の末、買収交渉は決裂した。

その後も赤字経営は続き、2014年にはアブダビ首長国のエティハド航空の傘下に入ることで収支の改善を図ったが、2017年5月に経営破綻した。

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