◎英政府によると、昨年ドーバー海峡を渡ってイギリスに亡命を試みた移民は4万5000人を超え、過去最多を大幅に更新。そのうち1万人以上がアルバニア人だった。
アルバニア政府は16日、駐英大使に口上書を手渡し、英政府高官によるアルバニア移民への「言葉のリンチ」に抗議した。
外務省は声明で、「アルバニア人に対し、差別的な表現を用いたロバート・ジェンリック(Robert Jenrick)議員の発言に懸念を表明する」と述べている。
移民政策を担当するジェンリック氏は先週、亡命希望者を収容する施設を視察した際、「アルバニア人を見つけ、拘束し、バスに乗せ、空港に連れて行き、ティラナに戻すという重要な仕事に就くスタッフに感謝する」と述べていた。
アルバニア外務省はラマ(Edi Rama)首相とスナク(Rishi Sunak)英首相による先月の共同声明に言及し、「ジェンリック氏の発言は両首脳が確認した前向きな二国間協力の精神に反する」と批判した。
首相府の報道官も15日、ツイッターに声明を投稿し、「同盟国の移民問題責任者が有権者の票を集めるために恥ずかしい発言をしたことにショックを受けている」と表明した。
英政府によると、昨年ドーバー海峡を渡ってイギリスに亡命を試みた移民は4万5000人を超え、過去最多を大幅に更新。そのうち1万人以上がアルバニア人だった。
英政府は先週、アルバニア人数十人を強制送還した。
2020年にイギリスへの亡命を認められたアルバニア人はわずか数十人であり、英政府は昨年の急増に不満と困惑を表明している。一部の専門家は複数の人身売買組織がアルバニアで亡命希望者を集め、ドーバーに送り込んでいると指摘している。
スナク政権はアルバニアを「安全な国」と呼び、アルバニア人の亡命申請は根拠のないものと主張している。