◎今年ドーバー海峡で保護された亡命希望者数は4万人を超え、過去最高を大幅に更新した。
ドーバー海峡で保護された亡命希望者たち(Getty Images)

アルバニアラマ(Edi Rama)首相が15日、イギリス政府高官の発言を厳しく批判した。

英仏両政府は14日、ドーバー海峡横断を試みる移民船が急増していることを受け、この海域のパトロールを強化する協定に署名した。

イギリス当局によると、今年ドーバー海峡で保護された亡命希望者数は4万人を超え、過去最高を大幅に更新したという。その3分の1がアルバニア人だった。

ラマ氏は15日の記者会見で、「イギリスは欧州の同盟国であるアルバニアが移民を意図的に送り込んでいると主張している」と憤慨した様子で語った。

ラマ氏はスナク政権を批判し、「ドーバーの移民増加はブレグジッドが原因だ」と主張した。「イギリスはEU離脱で自ら袋小路に飛び込んだのです!」

一方、イギリス当局は「アルバニア系犯罪組織がイギリスの亡命制度を悪用している」と非難している。国家犯罪局によると、アルバニア系犯罪組織がドーバーを渡る船に大麻栽培を行う労働者を送り込んでいるという。

同局は声明で、「大麻関連の犯罪で逮捕された外国人の多くが小舟でイギリスに入国している」と述べている。

ブレイバマン(Suella Braverman)英内相は移民の到着を「侵略」と表現し、国内外で批判を浴びている。ラマ氏はこの発言を「狂気」と呼んだ。

またラマ氏は「アルバニアは同盟国を攻撃しない」と強調した。「こんなにひどい扱いを受けたのは初めてです!」

ラマ氏は「ビザ制度の緩和は不法入国者を減らすが、イギリス政府のやり方は事態を悪化させる」と批判した。

さらにラマ氏はブレグジッドも批判した。「イギリスは勝手にEUから離脱し、泥沼にはまり、怒っています!」

スナク(Rishi Sunak)首相は先週、移民に関するアルバニア政府の協力に感謝していると述べていた。

スナク氏は移民の急増に深刻な懸念を表明し、亡命申請手続きがうまく機能していないことを認めたが、状況を把握し、問題に対処できると主張した。

2022年6月23日/ブリュッセルのEU本部、アルバニアのラマ首相(Olivier Matthys/AP通信)
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