◎デモ会場周辺には警察官が数百人配備された。
アルバニアの首都ティラナで11日、野党主催の反政府デモが行われ、数千人が参加した。
中道右派のアルバニア民主党を率いるベリシャ(Sali Berisha)元首相は演説で、「この革命で政府の腐敗を公にし、税金を国民に返還する時が来た」と主張した。
首相府周辺に集まったデモ参加者は「ラマ、去れ」「泥棒首相、逮捕」などと書かれた横断幕を掲げ、中道左派のラマ(Edi Rama)首相に辞任を要求した。
AP通信によると、一部の暴徒が政府庁舎に発煙筒を投げつけたという。現場には警察官が数百人配備された。
野党はラマ氏が汚職に関与し、アルバニア人の国外流出に拍車をかけていると非難している。
一方、ラマ氏は自身の政策がインフレ率を低く抑え、家庭や中小企業向けの支援でも多くの支持を得ていると反論している。アルバニアの消費者物価指数(CPL)は近隣の同盟国より低い。
野党はラマ氏が米国で先月逮捕された元FBI高官マクゴニガル(Charles McGonigal)容疑者に賄賂を渡したと主張している。
マクゴニガル容疑者は米政府の制裁対象となっているロシア富豪のために働き、その見返りに報酬を受け取ったとして、資金洗浄(マネーロンダリング)などの罪で逮捕、起訴された。
FBIによると、マクゴニガル容疑者はラマ氏と面会した際、同国の油田掘削ライセンスをロシアのフロント企業に与えないよう注意を促したとされる。
ラマ氏はマクゴニガル容疑者と面会したことは認めたが、金銭や優遇措置を与えたという疑いは否定している。
一方、米国務省は2021年、ベリシャ政権時代(2005年~2013年)に発覚した数多くの汚職を非難し、ベリシャ氏とその関係者を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」に指定。イギリスも同様の措置を取っている。
ベリシャ氏は13日にも同様の集会を行うと支持者に呼びかけた。