◎イタリア政府は先週、アルバニアに2つの移民収容センターを開設。ここではイタリアで保護された男性移民を処理する。
アルバニアのラマ(Edi Rama)首相は15日、同国にイタリア政府が運営する2つの移民収容センターが開設されたことについて、「他のEU加盟国からも同様の提案を受けたが、すべて断り、イタリアのみ認めた」と明らかにした。
イタリア政府は先週、アルバニアに2つの移民収容センターを開設。ここではイタリアで保護された男性移民を処理する。
それによると、両センターは400人の不法移民を一度に処理でき、収容数は数週間後には880人にまで増える見込みだという。
女性、子供、高齢者、病気や暴力の被害者はイタリアの施設に収容される。家族が引き離されることはない。
イタリア海軍の船舶は15日、アフリカ北部・リビアを出港し、地中海で保護された16人(バングラ人10人、エジプト人6人)を乗せて南部ランペドゥーザ島を出発。16日にアルバニアに到着する予定だ。
ラマ氏はルクセンブルグで開催されたEU会議で演説。「イタリアを除く国がアルバニアで移民収容センターを運営することはできない」と強調した。
またラマ氏は「1991年にアルバニアの共産主義が崩壊した際、イタリアが数万人のアルバニア人を受け入れ、さらに1997年の経済混乱時や2019年の地震後にもイタリアが数多くの支援を提供してくれた」と指摘。「アルバニア人はイタリアに感謝の念を抱いている」と述べた。
イタリア内務省によると、今年海路で同国に到着した移民は10月15日時点で5万4129人。昨年同時期は13万8947人であった。
イタリアのメローニ(Giorgia Meloni)首相とラマ氏は昨年11月に移民の受け入れに関する協定に署名。その期間は5年間で、イタリア当局が国際水域で拘束した移民のうち、毎月最大3000人をアルバニアの施設に送る。
アルバニアは収容した移民を精査し、本国に送還するかどうかを決める。
地中海は世界で最も多くの死者を出している亡命ルートのひとつだ。国際移住機関(IOM)によると、昨年は2500人以上の移民が死亡または行方不明となった。