◎この法案に反対する人々は先月15日、国会議事堂のフェンスを破壊し、敷地内に侵入。法案を破り捨て、大統領に辞任を要求した。
ジョージアの係争地アブハジア共和国の議会は3日、ロシア人の不動産購入を許可する法案を賛成多数で否決し、一連の論争に終止符を打った。
この法案に反対する人々は先月15日、国会議事堂のフェンスを破壊し、敷地内に侵入。法案を破り捨て、大統領に辞任を要求した。
親ロシア与党はデモ隊が議事堂を占拠したため、審議を延期。デモ隊が議事堂を明け渡せば、議会を解散して総選挙を行うと約束した。
その後、紆余曲折の末、大統領は辞任を余儀なくされ、副大統領が来年2月の総選挙までの間、大統領代行を務めることになった。
国営テレビによると、議会は圧倒的反対多数で法案を否決したという。
反対票を投じた議員の1人は国営テレビの取材に対し、「市民の意思を反映した結果となり、満足している」と語った。
ロシアのウォロジン(Vyacheslav Volodin)下院議長は3日、アブハジア議会の決定はロシアとの関係冷え込みにつながると述べた。
ジョージアとロシアの関係は2008年の南オセチア紛争で崩壊。ロシアはこの紛争でアブハジアと南オセチアの分離主義勢力を支援し、ジョージアを3分割した。
それ以来、ロシア軍の支援を受ける分離主義者がこの両地域を実効支配している。
ロシアはアブハジアと南オセチアの独立を承認しているが、多くのアブハジア人はこの地域の不動産がロシアの富裕層に独占されることを懸念している。