セルビア駅崩落事故、元建設相を含む6人逮捕=検察
この事故はノビサド駅の入り口で24年11月1日に発生。コンクリート製の天井が突然崩落し、6歳の少女を含む16人が死亡した。
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セルビアの捜査当局は2日、北部ノビサド駅で昨年11月に発生した崩落事故に関連する捜査で、元大臣を含む6人を1日に逮捕したと明らかにした。
この事故はノビサド駅の入り口で24年11月1日に発生。コンクリート製の天井が突然崩落し、6歳の少女を含む16人が死亡した。
ノビサド駅は1964年に建設され、近年2度改修工事が行われたものの、崩落した天井は工事に含まれていなかった。直近の工事は中国の国営企業が請け負っていた。
この事故を担当する検察官は声明で、元建設相を含む6人を逮捕したと明らかにした。
それによると、6人は駅と線路の改修工事を任された中国企業2社の請求書を水増しした疑いが持たれている。
検察は6人が中国企業に請求書(工事費)を水増しして提出するよう求め、国に1.15億ドル(約171億円)の損害を与えた疑いがあると指摘している。
中国企業は請求書を水増しすることで1880万ドル(約27.8億円)の利益を得たとされるが、詳細は明らかにしていない。
検察は昨年末、この事故に関連してベシッチ(Goran Vesic)前建設相を含む13人を起訴した。13人は公共の安全に対する重大な犯罪行為と公共工事で不誠実な対応をした罪に問われている。有罪が確定すれば、12年以下の懲役刑に処される可能性がある。
セルビアではノビサド駅の事故以来、政府に抗議するデモが全国各地で行われている。
このデモは各地の学生ユニオンが主催。多くの学生が講義をボイコットし、政府に説明を求めるため、デモに参加している。
この結果、国内のほぼ全ての大学が閉鎖される事態となった。
ブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領は全国の大学に授業の再開と、デモに参加した大学関係者を解雇するよう要求している。
ブチッチ政権は2027年に任期満了を迎える。同年には議会選挙も予定されている。