◎ギリシャは豊かな西欧への亡命を求める移民の中継地であり、トルコ西岸とアフリカ北部リビアやチュニジアに拠点を置く人身売買組織が頻繁に利用している。
ギリシャの沿岸警備隊は7日、この週末に北アフリカから小型ボートで地中海を渡ってきた230人以上の移民を拘束したと明らかにした。
それによると、移民は6回に分かれて海岸近くに接近もしくは上陸したという。
東部コス島沖では先月末、移民を乗せたボートが転覆し、1人が死亡、15人が救助されている。
ギリシャは豊かな西欧への亡命を求める移民の中継地であり、トルコ西岸とアフリカ北部リビアやチュニジアに拠点を置く人身売買組織が頻繁に利用している。
その多くがトルコ沿岸からギリシャの島々へボートで横断を試みる。しかし、この海域の国境警備は強化されているため、トルコ南部または北アフリカから大型船で直接イタリアに向かう者も少なくない。
クレタ島は今年、北アフリカから地中海を渡る移民の主要な目的地になった。
ギリシャ政府は地元当局を支援するため、クレタ島に移民処理センターを建設することを検討している。
リビアからの横断には少なくとも2日かかる。一方、警備が強化されたトルコからは高速ボートで1時間ほどの距離だ。
ギリシャ当局はパレスチナ・ガザ地区やレバノンでの戦闘から逃れた難民・移民が急増すると予測し、周辺国やEUと連携して海上警備を強化している。
沿岸警備隊によると、この週末にクレタ島に到着した移民のほとんどがエジプト、スーダン、バングラデシュ人だったという。
6件とも、移民たちはリビア東部の港から出発し、人身売買組織に1人当たり最高9000ユーロを支払っていた。
警察は人身売買に関与したとして、ボートに乗っていた12人を逮捕。身元と国籍は明らかにしていない。