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リトアニア当局、「小包爆発/発火事件」にロシア情報機関が関与と発表

2024年に発生した欧州諸国での「小包爆発/発火事件」はロシアの情報機関による組織的な工作活動の一環として、欧州の安全保障環境に新たな脅威をもたらした。
2024年7月29日/リトアニア、首都ビルニュスの通り(AP通信)

リトアニア検察庁は17日、2024年に欧州諸国で発生した「小包爆発/発火事件」について、ロシアの情報機関と関係のあるロシア人によって組織・監督されたと発表した。

リトアニアの治安当局は昨年、この4件の小包事件は、「米国行きの貨物便で爆発を引き起こすロシアの計画の”テスト”として実施された」と報告していた。

検察庁によると、小包には電子式タイマーで起爆する爆発装置が仕込まれていた。

計画の調整役として、ウクライナ国籍の男とリトアニア・ロシア二重国籍の男が組織、主導したことが明らかになった。

この2人は首都ビリニュスにあるIKEA店舗で発生した火災にも関与したとされる。

リトアニアの警察当局が同盟国と連携して2人の行方を追っている。

2024年に欧州諸国で発生した「小包爆発/発火事件」はロシアの情報機関による組織的な工作活動の一環として位置付けられ、欧州各地の物流拠点や商業施設を標的とした一連の攻撃が確認された。これらの事件はロシアによる「ハイブリッド戦争」の一環として、欧州の安全保障環境に深刻な影響を及ぼした。


事件の概要と発生状況

2024年7月19日、リトアニア・ビリニュスから送付された4通の小包がドイツ・ライプツィヒ、ポーランド、イギリス・バーミンガムなどで相次いで爆発または発火した。これらの小包には自作の爆発・発火装置が仕込まれており、物流施設や貨物機の搭載前に発火・爆発が発生した。特にバーミンガムのDHL倉庫での発火は、航空機に搭載されていれば重大な事故につながる可能性があった。


実行主体と手法

事件の背後にはロシアの情報機関が関与しているとされる。リトアニア当局は、テレグラムなどの暗号化された通信アプリを通じて、実行犯を募り、暗号通貨で報酬を支払ったと報告している。実行犯の多くは、報酬を受け取ることを目的とした者であり、ロシアの意図を知らずに活動していた可能性がある。


目的と意図

これらの攻撃は単なる物理的な破壊を目的としたものではなく、欧州の物流インフラに対する信頼を損ね、経済活動に混乱をもたらすことを狙ったものと考えられる。さらに、これらの事件は、ロシアが欧州に対して行っているハイブリッド戦争の一環として位置付けられ、情報戦や心理戦の手段としても活用されている。


各国の対応と影響

ドイツ、ポーランド、イギリスなどの各国は事件発生後、物流施設や航空貨物のセキュリティ強化、監視体制の強化、情報共有の促進などの対策を講じた。特にドイツでは、事件に関与したとされるウクライナ人3人が逮捕され、ロシアの工作活動への警戒が高まっている。


今後の展望と課題

これらの事件は、欧州における情報戦やサイバー攻撃、経済制裁などの新たな戦争形態が現実の脅威となっていることを示している。今後、各国は、物流インフラのセキュリティ強化、情報戦に対する防衛体制の構築、国際的な連携の強化など、多角的な対策を講じる必要がある。


結論

2024年に発生した欧州諸国での「小包爆発/発火事件」はロシアの情報機関による組織的な工作活動の一環として、欧州の安全保障環境に新たな脅威をもたらした。これらの事件は物理的な破壊を超え、心理的な影響や経済的な混乱をもたらす戦争手段としての側面を持っており、今後の対応には多角的な視点と国際的な協力が不可欠である。

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