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ギリシャ・クレタ島沖で移民船転覆、18人死亡、2人救助

事故はクレタ本島の南方約26海里の海域で発生。過密状態のボートが転覆し、近くを通りかかったトルコ籍の貨物船が発見、2人の生存者を救助した。
2022年11月22日/ギリシャ、クレタ島の港、救助された移民たち(Stefanos Rapanis/Eurokinissi/AP通信)

ギリシャ南部クレタ島沖で移民を乗せたゴムボートが転覆し、18人が死亡、2人が救助された。当局が6日、明らかにした。

それによると、事故はクレタ本島の南方約26海里の海域で発生。過密状態のボートが転覆し、近くを通りかかったトルコ籍の貨物船が発見、2人の生存者を救助した。

その後、沿岸警備隊などが18人の遺体を収容した。

通報を受け、沿岸警備隊、欧州国境沿岸警備機関(Frontex)と複数の商船、救難ヘリコプター、航空機による大規模な捜索・救助活動が直ちに実施された。報告によると、2人以外の生存者は確認されず、捜索活動は打ち切られたという。

ボートの出発地や正確な人数、乗船者の国籍など、詳細は明らかになっていない。ただ、クレタ島に向かう移民船の大半がアフリカ北部・リビアを出航している。

今回の事故で亡くなった移民たちは紛争や貧困、差別、経済的困窮などから逃れ、苦難を乗り越えて西欧への亡命を目指していたとみられる。過密、不安定なゴムボートと荒れやすい地中海、そして人々の命を賭けた密航、その現実は世界が抱える移民問題の深刻さを改めて浮き彫りにする。

EUでは安全かつ合法な移民・難民の受け入れルートの整備、密航に頼らざるをえない人々の支援、そしてこうした海難事故を防ぐための国際協力の強化が喫緊の課題となっている。犠牲となった命を無駄にしないため、国際社会は行動を迫られている。

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