◎ギリシャの島々は人身売買の中継地になっており、トルコと欧州国境沿岸警備機関(Frontex)の巡視艇も目を光らせている。
ギリシャの沿岸警備隊は24日、クレタ島沖で北アフリカから出港したとみられる移民140人を保護し、1人が死亡したとみられると明らかにした。
それによると、クレタ島の南東沖を航行していた商船が23日、救難信号を出したボートを発見、成人男性34人と少年3人を救助したという。
それから数時間後、巡視艇は同じ海域で別の移民船を発見。男性51人、女性8人、子供19人を救助した。
さらに翌日、シミ島沖でも移民船が見つかり、22人が救助された。
沿岸警備隊によると、商船に救助された移民のリーダーとされる人物が「途中で男性1人が海に落ち、溺死した」と証言したという。この男性の遺体は見つかっていない。
生存者は全員、クレタ島の移民収容施設で取り調べを受けている。
地元メディアによると、23日に保護された移民たちはリビア東部から出港したと証言しているという。
24日の移民船はトルコ西部から出港したものとみられる。この海域はトルコに拠点を置く人身売買組織がよく利用するルートである。そこを通る移民の大多数がギリシャまたはイタリアを目指す。
ギリシャの島々は人身売買の中継地になっており、トルコと欧州国境沿岸警備機関(Frontex)の巡視艇も目を光らせている。
ギリシャ政府の統計によると、今年同国に到着した移民は23日時点で約1万6000人。そのほとんどが海路で入国している。昨年同国に到着した移民は4万8000人を超えた。