◎待ち伏せ攻撃は山岳地帯の南部シャブワ州アクタで発生した。
イエメン当局は22日、アルカイダと疑われる武装勢力が南部の州で治安部隊を攻撃し、兵士5人と武装勢力の戦闘員3人が死亡したと報告した。
AP通信によると、攻撃は山岳地帯のシャブワ州アクタで発生したという。当局者はAPに、「テロリストの待ち伏せ攻撃で兵士少なくとも5人が死亡、4人が負傷した」と説明している。
この待ち伏せ攻撃は、分離主義組織である南部暫定評議会に忠誠を誓う部隊が駐屯する基地を標的としたもので、今のところ犯行声明は出ていない。
南部暫定評議会はUAE(アラブ首長国連邦)の支援を受け、イエメン南部の大部分を支配しているが、国際的に認められているハディ(Abedrabbo Mansour Hadi)暫定大統領とは対立している。
当局者によると、南部暫定評議会はサウジアラビア国境付近の町に増援を送り、警戒態勢を強化したという。また当局者はこの地域で活動するアルカイダ系グループが攻撃に関与している可能性があると述べた。
アルカイダ系武装組織「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」は世界規模のネットワークを構築する最も危険なテロ組織のひとつで、米国本土への攻撃を何度も試みてきた。
AQAPはイスラム国(ISIS)系グループとともにイエメンのいくつかの地域で活動しており、内戦を利用して攻勢を強めているとみられる。
国際社会はイランの支援を受けるシーア派武装勢力フーシとサウジアラビア連合軍の支援を受ける政府の完全な和平を望んでいる。
イエメン内戦は近代史上最悪の人道危機を引き起こし、国連によると、戦闘で死亡した兵士および民間人は15万人を超え、1000万~2000万人が国内避難民となり、1100万人以上の子供が人道支援を必要としている。