◎事件は南部アビヤン州郊外で1日未明に発生。UAE(アラブ首長国連邦)の支援を受ける「シャブワ防衛軍」もしくは「巨人旅団」に忠誠を誓う民兵が何者かの攻撃を受けた。
2020年8月22日/イエメン、首都サナア、シーア派武装勢力フーシの戦闘員(Getty Images/AFP通信/EPA通信)

イエメン南部で武装勢力の攻撃と疑われる銃撃事件が発生し、民兵少なくとも5人が死亡した。地元当局が1日、明らかにした。

それによると、事件は南部アビヤン州郊外で1日未明に発生。UAE(アラブ首長国連邦)の支援を受ける「シャブワ防衛軍」もしくは「巨人旅団」に忠誠を誓う民兵が何者かの攻撃を受けたという。

この攻撃で少なくとも5人が死亡、4人が負傷した。武装勢力は逃亡したとみられる。

イエメン南部は首都サヌアを含む同国の大部分を実行支配するシーア派武装勢力「フーシ」の管理外である。

UAEなどの支援を受けるシャブワ防衛軍と巨人旅団は国連の承認を受けた政府およびフーシ派と激しく対立しており、内戦終結に向けた国際社会の取り組みは遅々として進んでいない。

シャブワ防衛軍と巨人旅団も対立しており、昨年8月のガス田をめぐる衝突では数十人が死亡したとされる。

AP通信は情報筋の話として、「武装勢力とみられる集団は迫撃砲やロケットランチャーを使って民兵を攻撃した」と伝えている。

犯行声明は出ておらず、フーシ派と中央政府もコメントを出していない。

ある治安当局者はAPに、「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)が攻撃に関与したとみられる」と語ったが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

AQAPは国際テロ組織アルカイダの中で最も危険な派閥のひとつと考えられている。

南部シャブワ州では先月、AQAPが関与したとみられる銃撃事件が発生し、治安当局者2人と武装勢力の戦闘員1人が死亡した。

イエメン内戦は近代史上最悪と呼ばれる人道危機を引き起こし、この10年で少なくとも16万人が死亡。子供を含む1000万~2000万人が飢餓に直面している。

フーシ派の猛攻を受けた中央政府はサウジ主導の連合軍の支援を受け、反撃を開始。フーシ派はイランの支援を受けているため、内戦はサウジとイランの代理戦争に発展した。

UAEはサウジ連合軍で主導的な役割を果たしている。

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