◎近隣諸国の外交官や指導者たちはイエメン内戦終結に向けた和平努力を続けている。
2018年7月27日/イエメン、シーア派武装勢力フーシの少年兵(Nariman El-Mofty/AP通信)

イエメン当局は22日、中部マーリブ近郊で新たな戦闘が勃発し、少なくとも16人が死亡したと明らかにした。

近隣諸国の外交官や指導者たちはイエメン内戦終結に向けた和平努力を続けている。

AP通信によると、イエメンの大部分を実行支配するシーア派武装勢力「フーシ」は21日にマーリブの南にある町に移動。その後、戦闘が勃発したという。

戦闘は22日まで続き、周辺地域のインターネット通信が遮断されたと伝えられている。

イエメン内戦は近代史上最悪と呼ばれる人道危機を引き起こし、この8年で少なくとも16万人が死亡。子供を含む1000万~2000万人が飢餓に直面している。

中東の大国イランは2014年、フーシへの支援を開始。これに対しサウジは翌年、国連の支持を受けるイエメン政府を助けるためにフーシ派への空爆作戦を開始した。

フーシ派は2021年頃から石油資源が豊富なマーリブと周辺地域の制圧を試みてきた。

イエメン政府はその年、マーリブの一部をフーシ派に制圧されたものの、UAE(アラブ首長国連邦)の支援を受ける「シャブワ防衛軍」が領土を奪還。その後、サウジ連合軍の航空援助を受けて地域全体に攻め込み、フーシ派を追い払った。

APはフーシ派およびイエメン政府の情報筋の話を引用し、「マーリブ近郊で発生した戦闘により兵士16人が死亡、20人が負傷した」と報じている。また、マーリブの住民数百人が避難を余儀なくされたという。

フーシ派、シャブワ防衛軍および、マーリブに拠点を置きUAEの支援を受ける「巨人旅団」はこの戦闘に関する声明を出していない。

フーシ派は22日遅くに出した声明で、「祖国の主権と資源は妥協できない正当な権利であり、それを守るためにはすべてを犠牲にする」と述べたが、詳細は説明しなかった。

フーシ派は2014年、首都サヌアと北部の大部分を占領し、政府を追放した。

国連が主導する停戦協定は昨年4月に発効し、内戦終結への期待が高まったが、わずか半年で終了した。

しかし、それ以来、戦闘はほぼ小康状態を保っている。グルンドバーグ(Hans Grundberg)国連イエメン担当特使は内戦終結に向けた和平交渉を続けている。

サウジとイランは今月初め、外交関係を正常化することで合意し、イエメン内戦終結の期待がさらに高まった。

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