◎サウジ主導の連合軍とフーシ派が4月に結んだ停戦合意は6月2日に期限を迎える。
2018年5月1日/イエメン、首都サナア、シーア派武装勢力フーシの戦闘員(Getty Images/AFP通信)

国連は1日、イエメン内戦の当事者であるシーア派武装勢力フーシが停戦延長に前向きな兆候を示していると明らかにした。

サウジ主導の連合軍とフーシ派が4月に結んだ停戦合意は2日に期限を迎える。

国連のドゥジャリク(Stephane Dujarric)報道官は1日、「イエメン担当特使は停戦延長に向けた交渉を続けている」と声明を発表した。

フーシ派が停戦に合意したのは6年ぶり。国際社会は近代史上最悪と呼ばれる人道危機を引き起こした内戦の終結を求めている。

フーシ派の支配下に置かれている首都サヌアの空港は1日からサヌア・カイロ便の運航を再開した。これでフーシ派が再開を許可した路線は7便目となった。

サヌア空港の商業便再開は停戦合意の一部である。

しかし、国連は先週、フーシ派との協議の末、イエメン第三の都市タイズを解放するという別の合意には至らなかったと発表した。

国連とフーシ派はヨルダンの首都アンマンで交渉を行っている。

グルンドバーグ(Hans Grundberg)国連イエメン担当特使は先週の声明で、「タイズやその他の地域を段階的に解放し、食料や医療不足に苦しんでいる市民を救うための最初の話し合いを行った」と明らかにしていた。

グルンドバーグ氏はイエメンの公式政府とフーシ派に対し、アンマンの交渉を前進させ、国民に肯定的な結果を示すよう強く促した。

一方、ドゥジャリク報道官はグルンドバーグ氏が停戦延長に向けた厳しい交渉を行っていると述べ、「戦争当事者から前向きな反応を得ている」とした。

サウジ主導の連合軍は停戦を望んでいる。

連合軍は2014年からフーシ派と戦っているが、戦闘で内戦が終結する見通しは全く立っていなかった。フーシ派はイラン、レバノンを支配するヒズボラ、アルカイダを含む複数のイスラム過激派組織の支援を受けている。

内戦は近代史上最悪の人道危機を引き起こし、国連のまとめによると、戦闘で死亡した兵士および民間人は15万人を超え、1000万~2000万人が国内避難民となり、1100万人以上の子供が人道支援を必要としている。

グルンドバーグ氏は先月、「停戦開始以来、イエメン側からの攻撃は報告されておらず、同国内でも空爆は確認されていないことから、戦闘は急激に減少している」と述べていた。

ドゥジャリク報道官によると、イエメンの人道的ニーズは停戦で治安状況が改善したにもかかわらず依然として高く、今年、1900万人が飢餓に直面する可能性があるという。

国連は国際社会に支援を呼びかけているが、今年必要な資金42億8000万ドルを確保できる目途は立っていない。

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