◎国際テロ組織アルカイダと疑われる武装勢力が治安部隊を攻撃した。
UAE(アラブ首長国連邦)の支援を受けるイエメン南部の民兵は6日、国際テロ組織アルカイダと疑われる武装勢力が治安部隊を攻撃し、少なくとも27人が死亡したと報告した。
AP通信によると、この戦闘で南部民兵の隊員が21人、武装勢力の戦闘員が6人死亡したという。
戦闘は南部アビヤン州で6日早朝に発生したと伝えられている。APの取材に応じた広報担当は組織名を明らかにしなかったが、UAEの支援を受ける「シャブワ防衛軍」か「巨人旅団」の広報と思われる。
南部民兵は国連の承認を受ける政府と対立する一方、イエメンの大部分を実行支配するシーア派武装勢力フーシと7年以上にわたって戦争を繰り広げている。
南部広報はAPに、「数時間におよぶ戦闘で兵士少なくとも21人が死亡、4人が負傷。アルカイダとみられるテロリストの戦闘員6人を射殺し、数人を拘束した」と説明した。
死亡した兵士の中には、この地域の治安維持を担当している上級司令官も含まれていたという。
南部民兵は公式ホームページに声明を投稿。殺害した6人の遺体と拘束した数人の写真も掲載した。
地元メディアによると、犯行声明は出ていない。しかし、南部広報によると、アルカイダ系武装組織「アラビア半島のアルカイダ(ADAP)」を示唆する証拠が複数見つかったという。
AQAPは世界で最も危険なテロ組織のひとつとみなされ、米国本土への攻撃を企ててきた。
AQAPはイスラム国(ISIS)系組織とともにイエメンのいくつかの地域で活動しており、内戦を利用して活動エリアを拡大しているとみられる。
イエメン内戦は近代史上最悪と呼ばれる人道危機を引き起こし、この8年で少なくとも16万人が死亡。子供を含む1000万~2000万人が飢餓に直面している。
米国は2年前、イエメンの対テロ作戦でAQAPの最高指導者カシム・リミ(Qassim al-Rimi)を殺害したと報告した。