◎イエメン内戦は近代史上最悪と呼ばれる人道危機を引き起こし、この10年で少なくとも16万人が死亡。子供を含む1000万~2000万人が飢餓に直面している。
イエメン南部アビヤン州で国際テロ組織アルカイダによるテロ攻撃が発生し、分離独立派の戦闘員ら4人が死亡した。AP通信が地元当局の話しとして10日に報じた。
それによると、UAE(アラブ首長国連邦)の支援を受ける「シャブワ防衛軍」もしくは「巨人旅団」に忠誠を誓う民兵の車列が爆弾攻撃を受けたという。
APは情報筋の話しとして、武装勢力「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」が関与している可能性があると伝えた。攻撃の詳細は明らかにされていない。
民兵の報道官とされる人物は10日遅くに声明を発表。分離独立派の司令官と戦士3人が死亡したと明らかにした。
イエメン南部を統治する暫定評議会はUAEの支援を受けている。
同評議会は国連の承認を受ける中央政府および、同国の大部分を実行支配するシーア派武装勢力「フーシ」と対立しており、分離独立を目指している。
APによると、AQAPは今のところ犯行声明を出していないようだ。AQAPはアルカイダの中で最も危険な派閥のひとつと考えられている。
AQAPは今月初め、UAEとつながりのある民兵の戦闘員少なくとも5人を殺害したと伝えられている。先月には南部シャブワ州でAQAPとみられる武装勢力と民兵が衝突し、3人が死亡した。
イエメン内戦は昨年4月に6ヶ月間の停戦合意が締結されて以来、小康状態を保っている。この合意は10月に失効したものの、サウジとフーシ派は水面下で交渉を続けているものとみられる。
イエメン内戦は近代史上最悪と呼ばれる人道危機を引き起こし、この10年で少なくとも16万人が死亡。子供を含む1000万~2000万人が飢餓に直面している。
フーシ派の猛攻を受けた中央政府はサウジ主導の連合軍の支援を受け、反撃を開始。フーシ派はイランの支援を受けているため、内戦はサウジとイランの代理戦争に発展した。
UAEはサウジ連合軍で主導的な役割を果たしている。
それ以来、AQAPは内戦を利用して勢力を拡大。その存在を確固たるものにした。