▽世銀のレバノン迅速被害・ニーズ調査報告書は2023年10月8日から24年12月20日の間にレバノン全土の10のセクターで発生した被害と損害を対象としている。
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世界銀行は7日、イスラエルとレバノンのヒズボラによる戦争で荒廃したレバノンの復興費用について、110億ドル(約1兆6300億円)に上ると明らかにした。
世銀のレバノン迅速被害・ニーズ調査報告書は2023年10月8日から24年12月20日の間にレバノン全土の10のセクターで発生した被害と損害を対象としている。
それによると、110億ドルの復興・復旧ニーズのうち、インフラ部門を含め、30億ドルから50億ドルの公的資金が必要となる。
民間投資が必要なのは住宅、商業、工業、観光部門。60億ドルから80億ドル程度と見積もっている。
ヒズボラが国境を越えてイスラエル側にロケット弾を撃ち始めたのは、パレスチナ・ガザ地区のイスラム組織ハマスがイスラエル南部に侵攻した翌日、2023年10月8日のことだった。
イスラエルはレバノンへの砲撃と空爆で応戦。レバノン市民はエスカレートする紛争に巻き込まれ、9月下旬には本格的な戦争となった。
レバノン政府は現在、大打撃を受けた南部地域の再建や南部国境沿いの治安維持に奔走している。停戦協定は24年11月末に発効した。
双方は停戦発効から60日以内にレバノン南部から部隊を撤退させ、その後、レバノン正規軍と国連レバノン暫定軍(UNIFIL)が南部を管理することで合意していた。
しかし、イスラエルはレバノン側が合意を守っていないと主張。撤退を拒否している。
レバノン軍は7日、イスラエル軍が停戦合意に反して、当局の許可を得ずにユダヤ教の施設がある集落にイスラエル国籍の民間人を護送したと明らかにした。
世銀によると、レバノンにおける紛争の経済的コストは総額140億ドルに達したという。構造物への損害は68億ドル、生産性の低下、収入の逸失、運営コストによる経済損失は72億ドルと見積もっている。
最も被害が大きかったのは住宅で、その被害額は46億ドルに上る。