◎レバノンは近代史上最悪と呼ばれる経済危機の真っただ中にあり、通貨はこの数年で紙くずになり、目を覆いたくようなインフレに直面。人口の4分の3以上が極度の貧困に陥っている。
世界銀行は26日、経済危機の真っただ中にあるレバノンの貧困層を支援する3億ドルの追加融資を承認した。
世銀は2年前にはレバノンに2億4600万ドルを融資し、数十万人に現金を給付している。
同国は近代史上最悪と呼ばれる経済危機の真っただ中にあり、通貨はこの数年で紙くずになり、目を覆いたくようなインフレに直面。人口の4分の3以上が極度の貧困に陥っている。
レバノン・ポンドはかつて「1ドル=1500LP」ほどで取引されていたが、2019年後半に暴落。現在は「1ドル=15000LP」前後で取引されている。闇市場では「1ドル=50000~60000LP」で取引されているようだ。
世銀の報道官は声明で、「今回の追加融資により、政府は厳しい経済・金融危機の下で苦しむ貧困層のニーズに応えることができる」と述べている。
また報道官は「この追加融資により、現在の受給者を含む16万世帯に24ヶ月間、現金給付を行うことができる」と説明した。対象となる世帯は、1世帯あたり最大145ドルを受け取ることができるようだ。
世銀は政府および世界食糧計画(WFP)と連携してこの支援プログラムを行うとしている。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)とWFPは25日、世銀の発表に先立ち、レバノンのシリア難民などに対する現金給付をレバノン・ポンドではなく米ドルで行い、1世帯当たり月125ドルを上限とすると発表していた。
国連機関はレバノン・ポンドが暴落して以来、難民への現金給付をレバノン・ポンドで行ってきた。それによると、難民世帯はこれまでに月最大800万LP(現在の為替レートで約80ドル)を受け取っていたという。
同国で生活するシリア難民推定100万人を含む多くの市民が助けを必要としている。