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トランプ平和評議会とは?参加を決めた国は?

トランプ氏はこの組織を率いる初代議長に自ら就任し、特にガザ紛争の和平計画を支える役割を強調している。
2026年1月21日/スイス、ダボスの世界経済フォーラム、、トランプ米大統領(ロイター通信)

トランプ(Donald Trump)米大統領は国際紛争の平和的解決を目指す新たな枠組みとして「平和評議会(Board of Peace)」を創設し、その内容と参加国の動向が国際社会で注目を集めている。トランプ氏はこの組織を率いる初代議長に自ら就任し、特にガザ紛争の和平計画を支える役割を強調している。平和評議会は昨年9月に提案され、26年1月15日に発足した。国連安全保障理事会はガザ関連の責務を2027年まで付与しているが、その権限の範囲と将来的な役割については国際的な議論が続いている。

平和評議会は加盟国が3年間の任期で参加することが原則で、初年度に10億ドル以上の資金を拠出した国は永久加盟権を得る仕組みとなっている。この方針は批判者から「国際協力を金銭で買う制度」であるとの指摘も出ており、加盟資格や運営方針が透明性を欠くとの懸念も示されている。

評議会の「執行理事会」にはトランプ氏の側近や著名な国際政治関係者が名を連ねている。ルビオ(Maro Rubio)国務長官、ウィトコフ(Steve Witkoff)中東担当特使、トランプ氏の娘婿であるクシュナー(Charles Kushner)氏、そしてイギリスのブレア(Tony Blair)元首相などが含まれている。これらの人物は理事会の外交・戦略立案に深く関与するとみられるが、評価は分かれている。

加盟国については中東諸国や旧ソ連構成国など複数の国が受諾の意向を示している。例えばサウジアラビア、トルコ、エジプト、ヨルダン、インドネシア、パキスタン、カタール、アラブ首長国連邦(USE)などがトランプ氏からの招待を受け入れたと報告している。これらの国は声明の中で「平和構築に貢献する意向」を表明した。

一方で、欧州の主要な同盟国の中には参加を見送る動きも目立つ。フランス、ノルウェー、スロベニア、スウェーデンなどはトランプ氏の招待を辞退し、憲法上の問題や国際法との整合性を理由に挙げている。イタリアも規約との整合性の問題から慎重な姿勢を示しており、正式な参加表明には至っていない。

また、ウクライナはロシアの関与の可能性を懸念して参加を保留していると伝えられ、ロシアと中国も現時点で明確な参加表明をしていない。こうした国際的な隔たりは、平和評議会の発足が地政学的な分断を助長する可能性を示唆しているとの見方を強めている。

支持者は平和評議会が従来の国際機関では対応が難しかった地域紛争への具体的な介入や資金調達を可能にすると評価するが、批評家は国連の役割を損なうリスクや、特定国主導の枠組みになる危険性を指摘している。平和評議会の今後の実務運営や加盟国の拡大、そして国際社会の受け入れ態勢が、国際平和構築の新たなモデルとなるか否かの鍵を握っている。

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