◎西岸地区ではこの数カ月、イスラエル軍とパレスチナの武装勢力による暴力の応酬が続き、緊張が高まっている。
パレスチナ自治政府は7日、イスラエル軍がヨルダン川西岸地区の都市ジェニンを急襲し、パレスチナ人少なくとも6人が死亡、20人以上が負傷したと発表した。
イスラエル軍は同日、西岸北部の町フワラで先週イスラエル人2人が射殺された事件に関与したとされる容疑者をジェニンの住宅地で殺害したと発表。取り締まりは銃撃戦に発展し、イスラエル兵2人が負傷した。
軍報道官によると、この地域に拠点を置く武装集団はイスラエル兵に発砲したり、爆発物を投げつけたりしたという。
特殊部隊はジェニン郊外にある容疑者の自宅を包囲し、ロケット弾を撃ち込んだ後、突撃した。SNSで共有された映像には住宅地で爆発音が聞こえ、黒煙が立ち上る様子が映っていた。
西岸地区ではこの数カ月、イスラエル軍とパレスチナの武装勢力による暴力の応酬が続き、緊張が高まっている。
ユダヤ人の入植に抵抗するパレスチナ人たちは武器を取り、イスラエル軍・警察・入植者に攻撃を仕掛けている。
パレスチナ保健省は声明で、「22歳から49歳の6人が射殺され、26人が負傷した」と発表した。
イスラエル軍報道官によると、フワラの事件に関与したのは49歳の男だという。
また報道官は「武装勢力がジェニン上空に送ったドローン2機を撃墜した」と明らかにした。
SNSで共有された映像には、若者たちが黒焦げになったドローンの残骸とみられる物体を持ち上げ、歓声をあげるところが映っている。
ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は6日、特殊部隊を称賛し、負傷した兵士の早期回復を祈ると表明した。「私たちに危害を加える者はその代償を支払うことになるのです」
一方、パレスチナのアッバス(Mahmoud Abbas)議長の報道官は、「イスラエルはパレスチナに全面戦争を仕掛けており、緊張を和らげる努力を頓挫させている」と非難した。
イスラエル軍報道官によると、特殊部隊はナブルスでも急襲作戦を決行し、パレスチナ人2人を逮捕したという。この2人は父親のテロ攻撃を支援したとされる。
西岸地区でイスラエル軍に今年殺害されたパレスチナ人は60人を超え、その半数が武装勢力の戦闘員とされる。
パレスチナ人は今年、東エルサレムやヨルダン川西岸でイスラエル人を14人殺害している。