イエメン沖で貨物船にドローン攻撃、2人重傷、2人行方不明
紅海で貨物船が攻撃を受けたのは2日連続。親イラン武装組織フーシ派が7日、犯行声明を出した。
.jpg)
イギリスの民間警備会社Ambreyは7日、イエメン沖の紅海で貨物船がドローン攻撃を受け、乗組員2人が負傷し、2人が行方不明になっていると明らかにした。
紅海で貨物船が攻撃を受けたのは2日連続。親イラン武装組織フーシ派が7日、犯行声明を出した。
英国海運貿易オペレーション(UKMTO)によると、攻撃を受けたのはギリシャ企業が運航するリベリア船籍の貨物船「エタニティC」。ドローンによる攻撃を受け、火災が発生したという。
フーシ派は7日、6日に攻撃を受けたリベリア船籍でギリシャの会社が所有するばら積み船「マジック・シーズ号」が沈没したと主張した。
Ambreyは声明で、「貨物船(エタニティCとみられる)のエンジンは故障し、イエメンの港湾都市ホデイダの南西49海里の海域を漂流している」と述べた。
ロイター通信は7日、情報筋の話しとして、「エタニティCはホデイダ近海でドローン攻撃を受け、緊急信号を出した」と伝えている。
一方、フーシ派は7日、マジック・シーズ号を攻撃し、撃沈したと主張した。
UKMTOは6日の声明で、マジック・シーズ号の乗組員が無事救助されたと報告している。
Ambreyによると、マジック・シーズ号は8隻の小型ボートから銃撃を受け、その後、4隻の水上ドローンによる攻撃を受けたという。
マジック・シーズ号の乗組員は全員、7日にアフリカ北東部・ジブチに到着する予定。乗組員を救助した商船は中国からトルコに鉄鋼と肥料を輸送していた。
フーシ派は23年10月にガザ紛争が始まって以来、イスラエル領内だけでなく、紅海やアデン湾の船舶を数百回攻撃してきた。
この間、フーシ派は2隻の船舶を沈没させ、1隻をシージャックし、少なくとも4人の船員を殺害した。この攻撃は世界の海運を混乱させ、多くの企業がアフリカ南部喜望峰を周回する、より長く、より費用がかかる航路への変更を余儀なくされた。
フーシ派は3月、イスラエル軍がガザ地区への攻撃を再開したことを受け、紅海やアラビア海、アデン湾などを通過するイスラエル船舶への攻撃を再開すると主張。トランプ米政権はこれを受け、フーシ派に対する軍事作戦を開始した。
米中央軍(CENTCOM)は3月15日にフーシ派への攻撃を開始し、首都サヌアやホデイダなどを1000回以上空爆。フーシ派は300人近くが死亡したと報告している。
4月18日の空爆では少なくとも74人が死亡、171人が負傷したとされる。
トランプ政権は5月初め、フーシ派への空爆を停止した。