▽ガザには59人の捕虜が残っており、そのうち24人はまだ生きているとみられる。
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パレスチナ・ガザ地区のイスラム組織ハマスは14日、イスラエルとの間接協議が続く中、イスラエル系米国人1人を解放し、人質4人の遺体をイスラエル側に返還することで合意したと発表した。
その直後、トランプ米政権のウィトコフ(Steve Witkoff)中東担当特使が停戦延長のための「橋渡し」を提案。ハマス側は交渉を継続するため、代表団をエジプト・カイロに派遣したことも明らかにした。
イスラエル政府は先週初めにガザへのすべての物資搬入を停止。停戦延長と人質の解放を求める米国の提案をハマスが受け入れない場合、「地獄を見ることになる」と警告した。
ガザ国境はそれ以来、封鎖され、物資の搬入は完全に滞っている。
イスラム組織ハマスはイスラエルに対し、ガザ停戦を第2段階に移行するよう求めている。
イスラエル政府は停戦第1段階を4月20日まで延長するという米国の提案を支持。ハマスに人質を解放するよう圧力をかけてきた。
ガザには59人の捕虜が残っており、そのうち24人はまだ生きているとみられる。
双方は仲介国を通じていくつかの要求を提示している。
第2段階の交渉では▽イスラエル軍がガザ地区から完全に撤退すること▽パレスチナ人受刑者を解放する代わりに残りの人質を解放すること▽すべての軍事作戦と敵対行為を永久に停止することなどが協議される予定だ。
ウィトコフ氏は以前、▽ハマスが最初の日に人質の半分を解放▽残りの人質は恒久的な停戦について合意に達したときに解放すると提案していた。
一方、イスラエル軍は14日、ガザ地区への圧力を強化し、いくつかの町で群衆に向け発砲。少なくとも2人が死亡した。
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は14日午前の時点で4万8524人、負傷者は11万1955人となっている。
多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。
パレスチナのジャーナリスト協会は14日、イスラエル軍によるガザ市への砲撃で負傷したパレスチナ人ジャーナリストが亡くなったと明らかにした。
これにより、23年10月7日以降、ガザ地区で死亡したパレスチナ人ジャーナリストは206人となった。
同協会は声明で、ジャーナリストが国際法と人道条約に基づいて職務を遂行できるようにすることを強く求めた。
<停戦協定の概要>
▽第1段階の停戦は1月19日(日)に発効。
▽ハマス側はパレスチナ人捕虜と引き換えに、33人のイスラエル人捕虜を段階的に解放する。
▽イスラエル軍は停戦の第1段階として、ガザ境界の700メートル地点まで撤退する。
▽イスラエルは終身刑250人を含む約2000人のパレスチナ人受刑者を段階的に釈放する。
▽イスラエルはガザ地区内で負傷した人々が治療を受けるために移動することを許可する。
▽イスラエルは停戦開始から7日後にガザ南部とエジプトを結ぶラファ国境検問所を開放する。
▽イスラエル軍はガザとエジプトの境界フィラデルフィ回廊からの撤退を開始し、第2段階で完全に撤退する。
▽停戦の第1段階中、毎日600台の援助トラックをガザ地区に送り、食料や医薬品などを難民キャンプなどに届ける。
▽恒久的な和平に向けた同盟国による間接協議は第1、2段階中継続される。
▽ハマスは残りのイスラエル人捕虜を第2段階以降に解放する。