米国・UAEデータセンター建設計画、協議難航か=報道

半導体大手エヌビディア、オープンAI、オラクル、日本のソフトバンクはUAEと協力して、26年に稼働開始予定の「スターゲイトUAE」第1段階の建設に取り組んでいる。
2025年5月16日/アラブ首長国連邦アブダビ、演説するトランプ米大統領(ロイター通信)

米国とアラブ首長国連邦(UAE)が協力して世界最大級のデータセンターを建設する計画の交渉が難航している。

トランプ(Donald Trump)米大統領は先月の中東歴訪でUAEを訪問した際、強力なデータセンターハブを擁する大規模なAI(人工知能)プロジェクトを発表した。

ロイター通信は6日、情報筋の話しとして、「数十億ドルをかけてUAEにデータセンターを建設する計画は、セキュリティに関する懸念が依然として残っており、まだ最終決定にはほど遠い段階である」と報じた。

それによると、両国は26平方キロメートルという広大な敷地にデータセンターを建設する予定。UAEの国営企業が出資し、米企業が技術を提供する。

半導体大手エヌビディア、オープンAI、オラクル、日本のソフトバンクはUAEと協力して、26年に稼働開始予定の「スターゲイトUAE」第1段階の建設に取り組んでいる。

このプロジェクトはエヌビディアのAI半導体を使用する計画。トランプ政権は湾岸諸国を中国の代替技術ではなく、米国の技術へ誘導すると宣伝してきた。

しかし、このプロジェクトに詳しい情報筋によると、米当局はエヌビディアの先進的な半導体の輸出に関するセキュリティ条件や、UAEとの取り決めについてまだ決定しておらず、協議を続けているという。

ロイターは情報筋の話しを引用し、「米当局は中国と緊密な関係にあるUAEとの取り引きについて慎重な姿勢を崩していない」と報じた。

米国はエヌビディアを含む半導体の中国への輸出を制限している。

中国の新興企業「DeepSeek(ディープシーク)」はエヌビディアの半導体を使用し、米国製AIに匹敵する性能をごくわずかなコストで実現したと主張している。

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