米国、ヒズボラの武装解除求めレバノン政府に圧力=報道
イスラエルとヒズボラによる停戦協定は24年11月末に発効した。
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米政府がレバノンに対し、親イラン組織ヒズボラの武装解除を確約するよう圧力をかけている。
ロイター通信は29日、情報筋の話しとして、「米当局はアウン(Joseph Aoun)大統領に対し、ヒズボラの武装解除を確約する政令を速やかに閣議決定するよう求めている」と報じた。
レバノンは米政府に対し、イスラエルによる軍事作戦を恒久的に停止するよう求めている。
イスラエルとヒズボラによる停戦協定は24年11月末に発効した。
イスラエル軍は協定発効後も首都ベイルートや南部を定期的に空爆。そのほとんどがヒズボラの戦闘員やその関連施設に対するものである。
イスラエルとヒズボラは停戦発効から60日以内にレバノン南部から部隊を撤退させ、その後、レバノン正規軍と国連レバノン暫定軍(UNIFIL)が南部を管理することで合意していた。
しかし、イスラエルはレバノン側が合意を守っていないと主張。撤退を拒否している。
ロイターは米側の情報筋の話しを引用し、「レバノン政府からヒズボラの武装解除を確約する公式のコミットメントが得られない場合、米国はレバノンに特使を派遣したり、イスラエルに対し空爆を停止するか南レバノンから部隊を撤退させるよう圧力をかけることをやめる」と伝えている。
米国はこの1カ月間、イスラエルが空爆を完全に停止し、南レバノンの5カ所から部隊を撤退させる見返りに、ヒズボラを完全に武装解除するようレバノン側に求めてきた。
ヒズボラは武装解除を拒否しているが、非公式には戦力を縮小する可能性を示唆している。
ヒズボラはイスラエル国境付近の武装を解除したと主張。イスラエルが5つの国境監視ポイントから撤退し、レバノンに対する空爆を完全にやめるまで、レバノン国内での武装解除を拒否している。
米国のトム・バラック(Tom Barrack)駐トルコ大使は今月初め、首都ベイルートでヒズボラ指導者と会談。ヒズボラの武装解除提案に対するレバノン政府の対応に満足していると表明していた。
レバノン政府は現在、大打撃を受けた南部地域の再建や南部国境沿いの治安維持に奔走している。世界銀行はレバノンの復興費用を110億ドル以上と見積もっている。