◎8月28日に発生したとされる戦闘では少なくとも40人が死亡、数十人が負傷したとみられる。
米軍は8月31日、シリア東部で発生したクルド人組織とアラブ系部族の戦闘の即時終結を呼びかけ、この地域における混乱がイスラム国(ISIS)の復活を助長する可能性があると警告した。
8月28日に発生したとされる戦闘では少なくとも40人が死亡、数十人が負傷したとみられる。
シリア東部には少なくとも900人の米兵とそれに関連する不特定多数の請負業者が駐留している。米軍はクルド人主導の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」などと連携してISISの復活を阻止している。
衝突はSDF、そのかつての同盟組織であるアラブ系民兵、アラブ系部族の間で勃発したとされる。
シリア駐留米軍は声明で、「東部・北東部地域で発生した戦闘を注意深く監視している」と述べ、紛争当事者に武器を置くよう求めた。
また米軍はSDFとの連携に引き続き注力すると強調した。
紛争当事者はイラク国境近くの様々な地域に増援部隊を送ったと伝えられている。
SDFは30日、麻薬密売を含む複数の犯罪行為に関与したとされる高官4人を解任すると発表した。
それによると、この4人のうち1人は「外部組織」と何らかの情報を共有していたという。相手はシリアのアサド政権、イラン、その同盟国ロシアのいずれかとみられる。
かつてISISの支配下に置かれたシリア東部での戦闘と混乱はこの地域で活動する民兵の分断を煽り、ISISの復活を招くという懸念を抱かせた。
米軍は「東部地域の仕事から目をそらせば、不安定を生み、ISIS復活のリスクを増大させる」とし、紛争当事者に即時停止を呼びかけた。