◎米国務省は協議継続に意欲を示しているようにみえる。
2022年2月11日/イラン、首都テヘランで開催された1979年の革命を祝うイベント、星条旗を燃やす人々(Getty Images)

EU当局は29日、カタールで行われていたイラン核合意の再開を目指す米国とイランの間接交渉は大きな進展のないまま終了したと発表した。

EUの交渉仲介者はツイッターに、「残念ながら、期待していたような進展はまだない」と投稿している。

EU当局は「核不拡散と湾岸地域の安全保障に欠かせないイラン核合意を軌道に戻す作業を続ける」と表明した。

一方、イランのタスムニ通信は米国を非難し、「交渉の行き詰まりを打破することは難しい」と報じた。

タスムニ通信は社説の中で、「現在の米国の立場はイランが求めているものには程遠い」と述べている。「米国は対イラン制裁を解除せずに取引を復活させようとしています...」

しかし、EU当局は2日間の協議について、専門的かつ真剣な雰囲気の中で行われたと評している。

米国務省は協議継続に意欲を示しているようにみえる。

トランプ(Donald Trump)前大統領は2018年にイラン核合意から離脱し、イランの外国資産を凍結したうえで、イランの原油、天然ガス、石油化学製品などに対する投資を禁止した。

バイデン(Joe Biden)大統領は核合意への復帰を望んでいるが、EUが主導するウィーン交渉は米国がイランの準軍事組織「イラン革命防衛隊(IRGC)」をテロ組織に指定したことなどをめぐり、ほぼ停滞している。

イランはウィーン交渉決裂後、遠心分離機を稼働させ、高濃縮ウランの備蓄を急速に増やしている。

<ウラン(U-235)の濃縮度>
▽0.7%:標準
▽2~5%:原子炉燃料(軽水炉用)
▽3.67%以下:イラン核合意の規定値
▽20%以上:高濃縮ウラン
▽90%以上:核兵器用

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