▽イランはいかなる交渉も「オマーンが仲介する間接的なものになる」と強調している。
とイランの最高指導者ハメネイ師(Getty-Images).jpg)
トランプ(Donald Trump)米大統領は7日、イランと核開発プログラムについて直接協議する用意があると表明した。
この数時間前、イラン外務省は声明で、「オマーンを通じて米国に提示した間接交渉を求める提案の回答を待っている」と述べていた。
イランのペゼシュキアン(Masoud Pezeshkian)大統領は先月末、トランプ政権との核合意に関する直接交渉を拒否。これは最高指導者ハメネイ(Ali Khamenei)師の決定に基づいている。
イランはいかなる交渉も「オマーンが仲介する間接的なものになる」と強調している。
トランプ氏はイスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相との会談前、記者団に対し、「もし交渉が不調に終われば、イランは大きな危険にさらされる」と警告を発した。
ハメネイ師は先月末、「米国がイランを攻撃すれば、反撃する」と警告していた。
トランプ氏はこの発言を念頭に置き、「我々はイランと直接交渉している。それは12日に行われる。非常に大きな会談があり、何が起こるか見てみよう」と語った。
またトランプ氏は「取引することが望ましいということに誰もが同意すると思う」と述べ、「12日の会談は非常に高いレベルで行われる」と付け加えた。会談場所については明言を避けた。
AP通信は情報筋の話しとして、トランプ氏が話した12日の会談について、「直接協議ではなく、オマーンが間に入る」と伝えている。
ネタニヤフ氏は米国とイランの協議にほとんど関心を示さなかったが、「外交でイランの核兵器入手を阻止できるのであれば、とても良いことだと思う」と述べた。
ネタニヤフ氏は過去に何度もイランの核施設を攻撃する用意があると示唆している。
第1次トランプ政権は2018年、イラン核合意から一方的に離脱し、イランに厳しい経済制裁を科した。
イラン核合意は3.67%以上のウラン濃縮を禁止している。イランは24年末の時点で60%の高濃縮ウランを200キログラム近く保有している。
<ウラン(U-235)の濃縮度>
▽0.7%:標準
▽2~5%:原子炉燃料(軽水炉用)
▽3.67%以下:イラン核合意の規定値
▽20%以上:高濃縮ウラン
▽90%以上:核兵器用
イランは長い間、核兵器開発を否定してきた。しかし、イランはウラン濃縮を加速させ、兵器級とされる90%に近い60%の濃縮を続けている。
トランプ氏は1期目を通じて実践してきたイランに対する厳しい経済制裁を再開する大統領令に署名。イランの主要収入源である石油産業を標的とする制裁措置が発動した。
米エネルギー省の推計によると、イランの23年の石油輸出額は530億ドル、24年は540億ドルとなっている。24年中の生産量は18年以来最高水準となった。
トランプ氏は最初の任期中、厳しい制裁を科し、イランの石油輸出をほぼゼロに追いやった。イランはバイデン政権下で制裁逃れに成功、輸出量は増加した。トランプ氏はこれを再びゼロにするつもりでいる。