◎クルド人自治区ではアラブ系住民が関与する衝突が相次いでおり、懸念が高まっている。
シリア東部のいくつかの地域で米国の支援を受けるクルド系民兵とアラブ系部族が衝突し、少なくとも10人が死亡した。現地メディアが29日に報じた。
それによると、最初の衝突が発生したのは28日。この前日、シリア北東部に駐留する米軍とクルド人主導の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」はかつて同盟を結んでいたアラブ民兵の司令官とその関係者数人を拘束していた。
アラブ系部族は司令官らが拘束されたことに激怒し、クルド系民兵に攻撃を仕掛けたとみられる。
この司令官はシリアにおけるイスラム国(ISIS)掃討作戦でSDFと同盟関係にあった。
米国の支援を受けるクルド人自治区ではアラブ系住民が関与する衝突が相次いでおり、懸念が高まっている。
SDFを含むクルド系民兵はISISの残党取り締まりで大きな役割を果たしてきた。
イギリスのNGOシリア人権監視団は29日、東部の2つの集落で戦闘が確認され、アラブ民兵の戦闘員10人とクルド人3人が死亡したと明らかにした。
この地域で活動する活動家も激しい戦闘が起きた集落で少なくとも8人が死亡したと報告している。
国営シリア・アラブ通信(SANA)は東部の2つの集落で戦闘が発生し、10人が死亡、住民数十人が負傷したと伝えている。
シリア東部には少なくとも900人の米兵とそれに関連する不特定多数の請負業者が駐留している。米軍はSDFなどと連携してISISの復活を阻止している。