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米軍、空母打撃群に接近したイラン製ドローンを撃墜

CENTCOMによると、撃墜されたドローンはイランのシャヘド139型で、リンカーンを中心とする空母打撃群がアラビア海を航行中に接近してきたという。
米海軍の空母エイブラハム・リンカーン(AP通信)

米軍は3日、アラビア海に展開していた原子力空母「エイブラハム・リンカーン」付近で、イラン製のドローンを撃墜したと発表した。米中央軍(CENTCOM)は同機が空母に「積極的に接近」し明確な意図が不明であったことから、空母と乗組員を守るため防衛措置として撃墜に至ったと説明した。撃墜に伴う米側の人的・物的被害は確認されていない。

CENTCOMによると、撃墜されたドローンはイランのシャヘド139型で、リンカーンを中心とする空母打撃群がアラビア海を航行中に接近してきたという。このドローンは複数回にわたり空母に近づき、米軍が国際水域での衝突回避のための措置を講じても飛行を続けたため、F35C戦闘機が自衛のため迎撃したとしている。

この空母打撃群はイランと核合意再開交渉を巡る外交努力が継続する中、地域情勢の緊張が高まる中で中東海域に展開していた。トランプ(Donald Trump)大統領はイラン側が外交的解決に進まなければ「悪い事態」が起こり得るとの警告を発しており、軍事力のプレゼンス強化を進めてきた。

同日にはホルムズ海峡でも別の緊張が発生した。CENTCOMによると、イラン革命防衛隊(IRGC)の部隊が米国旗を掲げた商船「M/Vステナ・インペラティブ」に対して高速で接近し、乗船を要求する動きを見せたという。この動きに対し、米海軍の駆逐艦「マクファウル」が護衛に当たり、船舶を安全に航行させたとしている。

今回の事案は米・イラン間の軍事的緊張が一段と高まっていることを示すものであり、地域の安全保障情勢に新たな波紋を投げかけている。イラン国内では反政府デモに対する厳しい弾圧が続く中、トランプ政権は圧力戦略を外交交渉と並行して進めている。外交筋はトルコなどが関与する仲介努力が進行中であるとしつつも、現場では偶発的な衝突リスクが依然として高いとの認識を示している。

エイブラハム・リンカーンを中心とする米軍の海上戦力は中東における米国の重要な軍事的抑止力となっている。今回の撃墜は空母打撃群をターゲットとしたドローン接近事案としては異例であり、米軍は引き続き周辺海域での警戒態勢を強化する方針を示している。また、国際社会には双方に対する冷静な対応と対話促進を求める声が広がっているが、事態の収拾には時間を要する見通しだ。

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