SHARE:

米国、中東に第2空母打撃群を派遣、イランとの緊張高まる中

フォードは最新かつ世界最大の空母であり、カリブ海で護衛艦隊とともに任務に当たっていた。
米海軍の空母エイブラハム・リンカーン(ABCニュース)

国防総省は13日、イランとの緊張が高まる中、原子力空母ジェラルド・R・フォードを中東へ派遣すると明らかにした。中東地域には原子力空母エイブラハム・リンカーンが展開中。これにより、この地域で活動する空母は2隻となる。

フォードは最新かつ世界最大の空母であり、カリブ海で護衛艦隊とともに任務に当たっていた。同艦は2025年6月に展開し、今年初めにはベネズエラ沖での作戦にも参加していたが、今回の派遣により中東に移動する。移動には少なくとも1週間程度かかるとみられている。

米国が中東に2隻の空母を配備する背景にはイランとの関係がある。トランプ(Donald Trump)大統領は先週、イランとの核協議について「合意を成立させる必要がある」と述べ、核・安全保障問題を巡る交渉に期限を設ける考えを示していたが、協議は結論に至っていない。トランプ氏は合意が成立しない場合、「非常に重大な結果」を招く可能性があると警告している。

空母の増派は米軍の抑止力と戦力展開能力を強化する狙いがあるとみられている。トランプ政権は中東情勢をめぐる不確実性が高まる中で、軍事的準備態勢を維持しつつ外交的解決を求める2重のアプローチを模索している。しかし、中東への空母増派は地域の緊張感を一段と高める可能性もある。

すでに中東にはリンカーンを中心とする打撃群が展開しており、複数のミサイル駆逐艦や航空機が同地で活動している。フォードの合流により、米中央軍(CENTCOM)指揮下の艦艇数は増加し、空中作戦や監視能力が強化される。これらの動きはイランに対する圧力の一環として位置づけられているが、油価や地域の安全保障環境にも影響を与えかねないとの見方もある。

中東では昨年からイスラエルとパレスチナ勢力との間で衝突が続き、地域全体に緊張が広がっている。またイランでは核関連施設の活動をめぐり国際的な懸念が強まっている。このため、米国による空母増派は単なる軍事的配置以上の意味を持つとの評価も出ている。専門家は米国とイラン双方が対話の継続を表明しているものの、軍事的な抑止力と外交努力のバランスをどう取るかが今後の鍵になると指摘している。

一方、ホワイトハウスは今回の空母増派について公式コメントを控えており、情勢の緊迫度を慎重に見極めながら対応を進める方針である。中東への米軍戦力の増強が地域の安定化に寄与するのか、それとも緊張をさらに高める要因となるのかは、今後の動向次第だとしている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします