米軍、シリア全土のISIS拠点を空爆、報復の一環
米中央軍(CENTCOM)は声明で、「本日の攻撃はシリア全域のISISを標的にしたものだ」と述べ、空爆や地上支援を含む作戦が行われたことを明らかにした。
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米軍は10日、シリア国内各地で過激派組織「イスラム国(ISIS)」の拠点を標的とする複数の空爆を実施したと発表した。米中央軍(CENTCOM)は声明で、「本日の攻撃はシリア全域のISISを標的にしたものだ」と述べ、空爆や地上支援を含む作戦が行われたことを明らかにした。今回の攻撃は、昨年12月に中部パルミラ近郊で発生したISISによる襲撃で米兵士ら3人が死亡したことを受け、報復の一環として実施されたものだと説明している。
声明によると、攻撃は米東部時間10日午後の早い時間に実施されたという。ただし、攻撃による死傷者数や具体的な破壊状況については明らかになっておらず、国防総省も詳細なコメントを控えている。
今回の攻撃は、米軍が昨年12月に開始した一連の対ISIS作戦「ホークアイ・ストライク(Operation Hawkeye Strike)」の継続であり、パルミラでの襲撃を契機として展開されている。この襲撃25年12月13日に発生し、米兵2人と米国人通訳1人が死亡した。
米軍はシリアに約1000人の兵力を展開中、これらの兵士はISIS残存勢力の掃討や地域の安定化支援に従事している。CENTCOMによると、米軍はこれまでにも空爆や地上作戦を通じてISISの指揮拠点や武器庫などを攻撃し、今回の作戦でも同様の標的が攻撃対象になったという。
シリア情勢は複雑で、2024年末にアサド政権が崩壊し、かつて反体制派リーダーが暫定政権を率いるようになった後も、国内各地では断続的な戦闘が続いている。こうした中で、シャラア暫定政権は国際的なISIS掃討作戦に参加する立場を示しており、米国主導の連合軍と一定の協力関係を築いているとされる。
米軍の攻撃に対し、地域の反応はさまざまである。ISIS支配地域の一部住民や武装勢力は米軍の動きを非難する声を上げる一方、ISIS掃討を支持する勢力や一部の住民は攻撃が地域の安全に寄与すると受け止めているという報道もある。ただし、民間人被害などに関する独立した確認は現段階で困難な状況だ。
米軍の攻撃は国際社会でも注目を集めている。欧米諸国や中東の一部同盟国は対ISIS作戦への支持を表明しているが、一方で地域の緊張をさらに高める可能性を懸念する声もある。特にISISの残存勢力をめぐる戦闘が激化する中で、攻撃が周辺地域の安全保障上のリスクを高めるとの指摘も出ている。
米軍は今回の攻撃について「テロリストが米兵に危害を加えた場合、世界のどこであっても追跡し対応する」との立場を示しており、ISISを完全に排除するまで作戦を継続する意向を示している。ただ、戦闘は収束の兆しを見せず、シリア情勢の安定化には時間を要する見込みだ。
