米軍、シリア北東部の基地からの撤退を開始
米軍は現地時間23日、ハサカにあるカスラク(Qasrak)基地から主力部隊や装備を搬出し始め、装甲車両やトラックの隊列が幹線道路を通ってイラク北部クルド地域方面へ向かう姿が目撃された。
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米軍がシリア北東部の基地から撤退を開始した。複数のシリア軍・治安関係筋が23日、明らかにした。米軍は現地時間23日、ハサカにあるカスラク(Qasrak)基地から主力部隊や装備を搬出し始め、装甲車両やトラックの隊列が幹線道路を通ってイラク北部クルド地域方面へ向かう姿が目撃された。この動きは民主主義勢力を支援しイスラム国(ISIS)掃討作戦に関与してきた米軍のプレゼンスを縮小する一環である。
カスラク基地はこれまで、クルド人自治区の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」と連携しISISと戦う米軍主導の国際連合部隊の中核拠点だった。今回の撤退は数週間かけて進められる見込みで、完全撤収後もイラク国境近くの基地には米軍主導の連合部隊が残る可能性があるとみられている。
シリア政府が北東部の勢力圏を拡大していることも、米軍の撤退決定に影響している。昨年末から今年初めにかけて、シリア軍はSDFが支配していた地域を掌握し、他の基地から米軍が撤退した後に実効支配を強めた。これらの基地は国軍が管理下に置いたと伝えられている。
撤退の背景には、米軍における戦術・戦略面での大幅な転換があるとみられる。報道によると、米軍主導の対テロ作戦は今後約1カ月以内にシリアからの全軍撤収を完了する可能性があるとの見方も出ており、最大1000人程度とされる現地の米兵全員が撤収対象になる予定だ。
米中央軍(CENTCOM)はコメントを出していないが、現地での撤退作業は通信妨害・防空システムの解体やエンジニアリング部門の撤去など基地機能の縮小を伴って進んでいるという情報もあり、約200人が基地に残って作業を行っているという。
米軍がシリアから撤退するのは、2014年のISISの台頭以降続けてきた軍事関与の縮小を意味する。米軍は長年、SDFを主要なパートナーとし、ISISの残存勢力への攻撃や地域の安定化を図ってきたが、勢力図の変化やシリア政府との関係改善を背景に存在感を弱めている。
ただし、ISISの脅威は残存しており、同組織は最近もテロ攻撃を継続し、米軍撤退後の安全保障上の懸念が残る。撤退の進展は地域の力関係や今後の軍事・政治情勢に影響を与える可能性がある。
