◎タリバンは昨年、女性と少女の権利を保障すると約束した。
米国のアフガニスタン特使は21日、カタールの首都ドーハでタリバンの外相と会談し、女性や少女を抑圧する措置に反対すると懸念を伝えた。
ウェスト(Thomas West)和平担当特別代表はツイッターに、「少女は学校に戻り、女性は自由に移動し制限なく働けるようにならなければならない」と投稿した。
タリバンは昨年8月の政権奪取以来、市民社会に多くの制限を課してきた。その多くは女性と少女に対するもので、1990年代の旧政権を彷彿とさせている。
政権奪取から8カ月以上経った今も、女子校は授業を再開できていない。
タリバンの報道官は少女の教育を望んでいると主張してきたが、経済危機や資源不足などを理由に開校の後れを正当化している。
タリバンは昨年、女性と少女の権利を保障すると約束した。しかし、その後に出した複数の法令は西側諸国を不安に陥れた。
タリバンの最高指導者は今月初め、全国の女性に公共の場で顔を隠すよう命じ、ブルカ(全身を覆うイスラム教のヴェール)の着用を理想とする法令を施行した。
悪名高い勧善懲悪省は西側の懸念を一蹴し、イスラム法を最優先とする法令を次々施行している。
昨年12月には女性の1人旅を禁じ、男性の同伴者がいない場合は飛行機への搭乗を許可しないとした。医療機関に対しても女性1人の来院を認めないようお触れを出している。
今年1月、国連の人権専門家グループは、タリバンの強硬派が女性や少女に対する大規模かつ組織的な性差別と暴力を制度化していると指摘し、厳しく非難した。
3月には開校予定日の朝に女子生徒を中等教育から締め出し、国際社会の怒りを買い、米国は予定していたタリバンとの協議を中止した。
欧米はアフガン中央銀行の海外資産を凍結し、国際金融機関は支援を断ち切ったため、アフガニスタンは破綻の危機に瀕している。
ウェスト氏は「アフガニスタンの人々を支援するための対話は継続される」とツイートしている。
バイデン(Joe Biden)大統領は2月、凍結したアフガン中央銀行の資産70億ドルのおよそ半分を9.11遺族の支援に充てる大統領令にも署名した。
残りは国連管理の信託基金としてアフガン国民の援助に充てられる予定だが、アフガン中央銀行がタリバンの影響を受けないと確約できるのであれば、同行に戻される可能性もある。
9.11の遺族はアフガン中央銀行の資産をすべて補償に充てるよう裁判所に求めている。同行は約90億ドルの資産を海外に保有しており、残りは主にドイツ、UAE、スイスにある。
1/4 Together with @SE_AfghanWGH, spoke with Taliban’s Amir Khan Mutaqi this morning. Conveyed unified int’l opposition to ongoing and expanding restrictions on women and girls’ rights and role in society.
— U.S. Special Representative Thomas West (@US4AfghanPeace) May 21, 2022