米国、イランの「高濃縮ウラン」回収作戦を検討中=報道
米政府内ではイラン国内に残る高濃縮ウランを確保するため、特殊作戦部隊を地上に投入する案が議論されている。
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米政府がイランの高濃縮ウランを確保するため、特殊部隊を投入する軍事作戦の可能性を検討している。複数のメディアが8日に報じた。イランを含む中東の広い範囲で続く戦闘がさらに拡大する可能性も指摘されている。
ロイター通信によると、米政府内ではイラン国内に残る高濃縮ウランを確保するため、特殊作戦部隊を地上に投入する案が議論されている。外交関係者ら複数の情報筋の話しとして伝えられたもので、作戦が実行されれば米軍が直接イラン領内で行動する軍事作戦となる可能性がある。
問題となっているのは、イランが保有する高濃縮ウランの扱いである。イランは核開発を巡り長年国際社会と対立し、近年はウラン濃縮度を60%まで高めていた。この濃縮度は兵器級の90%に近く、専門家の間では核兵器開発に転用される可能性が強く懸念されている。
米国とイスラエルはこれまでにもイランの核施設に対する軍事行動を行ってきた。2025年にはイランのフォルドゥ、ナタンツ、イスファハンなどの主要核施設に対して空爆が行われ、核計画に一定の打撃を与えたとされる。しかし、地下施設に保管されている核物質の一部は完全には破壊されていない可能性があり、米政府内ではそれらを直接確保する必要性が議論されている。
報道では、空爆だけで核物質を確実に無力化できないため、特殊部隊が現地に入り回収または処理する案が検討されている。ただし、このような作戦は危険を伴う。イラン領内での地上作戦は大規模な戦闘に発展する恐れがあり、米軍の人的損失や地域全体の軍事衝突拡大につながる可能性もある。
さらに、イランが保有するとされる濃縮ウランは地下深くの施設や複数の場所に分散して保管されているとみられ、実際に回収する作戦は極めて困難とみられている。こうした事情から、現時点では具体的な作戦決定には至っておらず、あくまで複数の軍事オプションの一つとして検討されている段階だという。
中東では現在、米イスラエルとイランの間で軍事的緊張が急速に高まっている。双方の攻撃・報復が続き、地域全体の安全保障環境は大きく不安定化した。専門家は、核物質の確保を目的とした地上作戦が実行されれば、紛争はさらに激化し、広範な戦争に発展する危険があると指摘している。
米政府はこれまで、イランが核兵器を保有することは容認できないとの立場を繰り返し表明してきた。特殊部隊によるウラン確保作戦の検討は、イランの核能力を根本的に排除しようとする戦略の一環とみられている。今後、外交交渉が進むのか、それとも軍事的圧力が強まるのか、中東情勢の行方は依然として不透明な状況が続いている。
