◎UNRWAはガザで活動する最大の国連機関であり、ヨルダン川西岸、ヨルダン、レバノン、シリアのパレスチナ人にも医療、教育、その他の人道支援を提供している。
パレスチナ、ガザ地区、イスラム過激派組織ハマスの戦闘員(AP通信/John Minchillo)

パレスチナ・ガザ地区のイスラム組織ハマスによる昨年10月のイスラエル急襲を支援したとされるUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)が27日、資金援助を停止した国々に対し、決定を再考するよう促した。

UNRWAのラザリニ(Philippe Lazzarini)事務局長は声明で、「我々はイスラエル軍の地上侵攻に直面するガザ地区におけるに主要な国連人道機関であり、200万人以上の市民が我々の支援に依存している」と懸念を示した。

オーストラリア、カナダ、フィンランド、ドイツ、イタリア、オランダ、スイス、イギリス、そして米国がハマスの奇襲攻撃を支援したとされるUNRWAへの資金援助を一時停止した。

UNRWAの職員とされる少なくとも12人がハマスの攻撃をバックアップしたとされる。イスラエルの情報機関が国連に通知、発覚した。

UNRWAはガザで活動する最大の国連機関であり、ヨルダン川西岸、ヨルダン、レバノン、シリアのパレスチナ人にも医療、教育、その他の人道支援を提供している。ガザの職員数は約1万3000人。

イスラエルがハマスへの攻撃を開始して以来、UNRWAはガザ全域の施設を使って何十万人もの避難民を保護してきた。

UNRWA職員がハマスの攻撃に関与したとされる情報はイスラエルからもたらされた。イスラエルは以前から、UNRWAを含む国連のさまざまな部門を偏見や反ユダヤ主義で非難してきた。

ラザリニ氏は声明で、「我々は疑惑に関与したとされる職員を解雇しており、独立した調査を約束する」と表明。支援を停止した国々に再考を促した。

またラザリニ氏は「戦争、避難民、政治危機の最中に、一部の個人による犯罪疑惑を理由に、団体全体に制裁を科すのは無責任だ」と主張した。

ソーシャルメディアには「UNRWA=ハマス」「国連がハマスによるユダヤ人大量虐殺を支援した」といった投稿が多数寄せられている。

ラザリニ氏は「毎年、イスラエルを含む受け入れ国と全職員のリストを共有しており、特定の職員に対する懸念や苦情を受けたことは一度もない」と強調した。

またラザリニ氏は「国連の内部機関による完全に独立した調査でこの凶悪な疑惑の真相が明らかになることを約束する」と述べた。

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は2万6000人を超えた。

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