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水上ドローンが黒海でロシアの「影の船団」を攻撃=トルコ政府

28日の夕方、2隻のタンカーが爆発と火災に見舞われ、うち1隻は水上ドローンよる襲撃を受けた可能性があるという。
黒海を航行するタンカー(Getty Images)

トルコ政府は29日、黒海で水上ドローンがロシアの「影の船団(shadow fleet)」に所属する石油タンカーを攻撃したと発表した。

それによると、28日の夕方、2隻のタンカーが爆発と火災に見舞われ、うち1隻は水上ドローンよる襲撃を受けた可能性があるという。

被害を受けたのは制裁対象になっていたロシア関連の2隻のタンカーとのこと。声明によると、このうち1隻はトルコ沖約56キロで水上ドローンに攻撃され、右舷上部に軽微な損傷を受けたものの、状態は安定、乗組員にケガはないという。

もう1隻はエジプト発ロシア向けで空荷の状態だったところ、トルコ沖で「外部からの衝撃」による爆発が起き、火災が発生。直ちに救助体制が取られ、乗組員25人は全員避難、人的被害は報告されていない。

これらの船はロシアによるウクライナ侵攻後、西側諸国が科した制裁を逃れて原油を輸送するために使われてきた“影の船団”の一部。旗国を転々とし、自動位置報告システム(AIS)を切るなど、追跡を回避してきた。

トルコ政府は今回の攻撃について「機雷、ミサイル、ドローン、あるいは水上ドローンなどが原因の可能性がある」と述べ、“複数の選択肢”を示唆したが、現時点で確定的な証拠は提示していない。

近年“影の船団”はロシアの石油輸出収入を維持する手段とみなされてきた。こうした非正規の海上輸送網を標的にすることで、ロシアへの圧力を強める試みという見方がある。ただし、今回のような攻撃は国際海上輸送の安全性や、域内の海上秩序にも波紋を広げかねず、周辺国も含めた緊張の高まりが懸念される。

なお、トルコ当局は現在、燃えた船の消火作業を続けており、さらなる追跡と調査を進めているという。

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