◎8月15日のカブール陥落以来、全土で女性の権利の尊重と自由を訴える抗議デモが実施されている。
国連は10日、アフガニスタンの全土で確認されている抗議デモに対するタリバンの残酷な取り締まりを厳しく非難した。
国連によると、タリバンの戦闘員は最近行われた抗議デモで少年を含む少なくとも4人を殺害したという。
8月15日のカブール陥落以来、全土で女性の権利の尊重と自由を訴える抗議デモが実施されている。
国連人権高等弁務官は10日に公表した報告書の中で、「タリバンの戦闘員は抗議者に警棒、ムチ、実弾を使用した」と述べた。「私たちは平和的集会の権利を行使する市民と、デモを報道するジャーナリストに対する暴力と恣意的拘束を直ちに停止するようタリバンに要請します...」
タリバンの戦闘員は旧政府軍を圧倒し、2週間足らずで全土の州都の大半と首都カブールを占領した。カブール陥落後、米軍は国際空港で展開された撤退任務を主導し、8月31日の撤退完了までに12万人以上を国外に避難させた。
旧タリバン政権は2001年9月11日の同時多発テロから約1か月後に崩壊した。しかし、タリバンは9.11から20周年を迎える数日前に旧政権を踏襲する包括的なメンズ内閣を発足させ、「アフガニスタン・イスラム首長国」の創設を宣言した。
国連のラヴィナ・シャムダサニ報道官は10日、抗議デモに対するタリバンの取り締まりを厳しく非難し、抗議デモは8月15日以来拡大し続けていると述べた。
しかし、タリバンは8日に無許可の集会を禁止すると告知し、通信会社にカブールのモバイルインターネットを遮断するように命じた。
シャムダサニ報道官は記者団に対し、「アフガニスタンで生活する人々の声に耳を傾けることは非常に重要である」と語った。「タリバンは人々の声に耳を傾けなければなりません...」
またシャムダサニ報道官は、少年を含む少なくとも4人が抗議デモ中に殺害され、デモの様子を記録していたジャーナリストも暴力に直面したことを明らかにした。
カブールでデモを取材していたジャーナリストはAP通信に、「タリバンに殴打され、拘束され、ムチで打たれた」と語った。
極めて脆弱なアフガニスタンの経済は今回の乗っ取りでさらに悪化すると懸念されている。
世界食糧計画は10日の声明で、全世帯の約93%が食料を得ることに苦労していると述べた。昨年から続く干ばつは農作物に深刻な被害を与えており、小麦の収穫量は例年の60%にも満たなかった。
ユネスコは過去20年の進歩、旧政権が西側の支援を得て確立した教育システム、そして女子児童に対する教育は崩壊する可能性があると警告した。
主要メディアによると、タリバンは同時多発テロから20周年を迎える9月11日に新政府を発足させる記念式典を開催すると示唆したという。
同日、アメリカでも20周年を記念する式典が開催される。
当時タリバンの保護下に置かれていたウサーマ・ビン・ラーディン率いるアルカイダは致命的なテロ攻撃に成功し、米国民約3,000人を殺害した。
ジョー・バイデン大統領はタリバンの攻勢が強まる前、米軍の撤退期限を9月11日に設定していた。
一方、首都カブールのハミド・カルザイ国際空港では米軍の撤退完了以来初となるフライトが許可され、約150人を乗せた航空機がカタールに飛んだ。
主要メディアによると、航空機には現地に取り残されていたフランス人49人とアメリカ人19人も搭乗していたという。
ホワイトハウスは10日、「米国民19人は航空機で。別の米国民2人とアフガン人11人は陸路でアフガニスタンから離れた」と述べた。