安保理、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)に関する協議開始

UNIFILは1978年に設立され、レバノンとイスラエルの南部国境をパトロールしている。
国連レバノン暫定軍(UNIFIL)のパトロール部隊(Getty Images/AFP通信)

国連安全保障理事会が18日、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)に関する協議を開始した。

フランスが起草した決議案はレバノンにおける長期にわたる平和維持ミッションの延長を盛り込む内容となっている。

UNIFILは1978年に設立され、レバノンとイスラエルの南部国境をパトロールしている。この任務は毎年更新されており、8月31日に期限切れとなる。

ロイター通信はフランス当局者の話しとして、「この決議案はレバノン政府がレバノン全土を完全に支配し、関係当事者が包括的な政治的合意に達した場合、安保理がUNIFILの撤退に向けた取り組みを進める意向を表明する内容となっている」と伝えている。

現地メディアによると、米国は18日の非公開会合で、任務の延長期間をこれまで通り1年間に限定すべきと指摘したという。

米国務省の報道官は「UNIFILの縮小を望んでいるか」という記者の質問に対し、「進行中の国連安全保障理事会交渉についてはコメントしない」と答えた。

中国とロシアはUNIFILの活動継続を支持している。イスラエルがレバノン領内で好き放題する恐れがあるためだ。

イスラエルとレバノンの親イラン組織ヒズボラによる停戦協定は24年11月末に発効した。

イスラエル軍は協定発効後も首都ベイルートや南部を定期的に空爆。そのほとんどがヒズボラの戦闘員やその関連施設に対するものである。

イスラエルとヒズボラは停戦発効から60日以内にレバノン南部から部隊を撤退させ、その後、レバノン正規軍とUNIFILが南部を管理することで合意していた。

しかし、イスラエルはレバノン側が合意を守っていないと主張。撤退を拒否している。

ヒズボラはこの戦争で大打撃を受け、前最高指導者のナスララ(Hassan Nasrallah)師を含む指導部のほとんどと5000人以上の戦闘員を失った。

レバノン政府は現在、米国が支援する計画に沿ってヒズボラに武装解除を求めている。

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