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国連、イスラエルの壁がレバノン国境(ブルーライン)を越えていると発表

ブルーラインはイスラエルとレバノンの間に設けられた境界線で、正式には「国連監視ライン(UNIFIL Line)」と呼ばれる。
国連レバノン暫定軍(UNIFIL)のパトロール部隊(Getty Images/AFP通信)

国連は14日、イスラエル軍がレバノン国境に建設した壁が事実上の国境である「ブルーライン」を越えていることが判明したと明らかにした。

ブルーラインはイスラエルとレバノンの間に設けられた境界線で、正式には「国連監視ライン(UNIFIL Line)」と呼ばれる。

これは2000年にイスラエルがレバノン南部から撤退した際に、国連の仲介で設置された。

ブルーラインはイスラエルとレバノンの間で領土問題や軍事的な緊張を管理するための線として、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)が監視している。

国連のデュジャリック(Stephane Dujarric)報道官は声明で、「イスラエル国防軍(IDF)が設置したコンクリート製の壁により、地元住民が4000平方メートル以上のレバノン領土に立ち入りできなくなった」と説明した。

またデュジャリック氏はUNIFILが調査を行い、イスラエルの壁がレバノン側に大きくはみ出していることが分かったと述べた。

さらに、「イスラエルは追加の壁を建設中であり、越境エリアはさらに拡大する見通しであると明らかにした。

デュジャリック氏はUNIFILが調査結果をイスラエル軍に通知し、壁の撤去を要請したと述べた。

イスラエル軍報道官は14日、壁がブルーラインを越えた事実を否定。壁の建設を続けると主張した。

イスラエルと親イラン組織ヒズボラによる停戦協定は24年11月末に発効した。

イスラエル軍は協定発効後も首都ベイルートや南部を定期的に空爆。そのほとんどがヒズボラの戦闘員やその関連施設に対するものである。

イスラエルとヒズボラは停戦発効から60日以内にレバノン南部から部隊を撤退させ、その後、レバノン正規軍とUNIFILが南部を管理することで合意していた。

しかし、イスラエルはレバノン側が合意を守っていないと主張。撤退を拒否している。

ヒズボラはこの戦争で大打撃を受け、前最高指導者のナスララ(Hassan Nasrallah)師を含む指導部のほとんどと5000人以上の戦闘員を失った。

レバノン政府は現在、米国が支援する計画に沿ってヒズボラに武装解除を求めている。

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