◎イエメン内戦は近代史上最悪と呼ばれる人道危機を引き起こし、この8年で兵士や民間人など少なくとも16万人が死亡。子供を含む1000万~2000万人が飢餓に直面している。
国連は10日、イエメン東部で人道支援任務に当たっていた輸送隊が待ち伏せ攻撃を受け、イエメン軍の兵士2人が死亡したと発表した。
国際移住機関(IOM)によると、輸送隊は西部の要衝マーリブに向かう途中、攻撃を受けたという。兵士2人は輸送隊を護衛していた。
人道支援任務の詳細は明らかにされていない。
東部地域の部族指導者と国連職員はAP通信の取材に対し、「輸送隊は東部ハドラマウト州の集落で攻撃を受けた」と語った。
サウジアラビアの支援を受けるイエメン軍の報道官はSNSに声明を投稿。兵士2人の死亡を確認したと述べた。
地元メディアによると、犯行声明は出ていないという。
イエメン内戦は近代史上最悪と呼ばれる人道危機を引き起こし、この8年で兵士や民間人など少なくとも16万人が死亡。子供を含む1000万~2000万人が飢餓に直面している。
サウジ主導の連合軍はシーア派武装勢力「フーシ」の拠点を攻めつつ首都サヌアなどにミサイルを撃ちこみ、インフラを破壊し尽くした。
しかし、絶え間ない空爆と地上戦にもかかわらず戦闘は膠着状態に陥り、壊滅的な人道危機を引き起こしたのである。
サウジ連合軍の支配下にある東部と南部ではこの数カ月、複数の武装集団による内紛が激化している。
UAE(アラブ首長国連邦)の支援を受ける「シャブワ防衛軍」は南部の大部分を支配し、イエメン政府に忠実な武装集団としばしば対立している。
南部シャブワ州で8月に発生した衝突では兵士少なくとも35人が死亡した。
国際テロ組織アルカイダも東部と南部で存在感を示している。今年2月にはアルカイダに属する武装勢力が南部アビヤン州で国連職員5人を誘拐した。