パレスチナ問題に関する国連会議延期、中東の緊張高まる

マクロン氏は記者団に対し、「この延期は二国家解決を推進するという私たちの決意を損なうものではない」と強調した。
2025年6月13日/フランス、パリの大統領府、マクロン大統領(AP通信)

フランスとサウジアラビアが主催するパレスチナに関する国連会議が延期された。フランス大統領府が13日、明らかにした。

両国はイスラエルとパレスチナの二国家解決案を推進するための国連会議を開催する予定であったが、イスラエルがイランに軍事攻撃を仕掛けたことを受け、延期された。

マクロン(Emmanuel Macron)大統領は記者会見で、「この地域における軍事的な緊張の高まりを考慮すると、パレスチナ自治政府とサウジのサルマン皇太子(Crown Prince Mohammed bin Salman)は移動が難しくなることから、出席できない」と語った。

ロイター通信はイスラエル軍の攻撃を受け、この会議が延期される見込みであると報じていた。中東諸国の高官の移動が難しくなることを理由に挙げている。

イスラエル軍は13日未明、イランの核施設と軍事施設を攻撃。戦闘機で100か所以上を空爆したと発表した。

イラン原子力庁はウラン濃縮施設のある中部ナタンツの核施設が被害を受けたと報告している。

国営イラン通信(IRNA)によると、国軍のバゲリ(Mohammad Bagheri)参謀総長や革命防衛隊(IRGC)のサラミ(Hossein Salami)司令官ら複数の高官ほか、元原子力庁長官や著名な核科学者が死亡したという。

イスラエル軍は先制攻撃に踏み切った理由について、▽イランが核兵器保有を推進していること▽数千発の弾道ミサイルを保持していること▽中東各地の代理勢力への武器と資金の提供を挙げ、これらの脅威を取り除くことと説明している。

マクロン氏は記者団に対し、「この延期は二国家解決を推進するという私たちの決意を損なうものではない」と強調した。

またマクロン氏は「どのような状況であっても、私はパレスチナ国家を承認すると決意している」と述べた。

各国は6月17~20日にかけて米ニューヨークの国連本部に集まる予定であった。

トランプ米政権は今週初め、各国政府にこの会議への出席を控えるよう求める電報を送った。

イランの国連大使は13日、イスラエル軍の13日の攻撃で78人が死亡、320人以上が負傷したと明らかにした。

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