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UAE当局、レバノン・ヒズボラ関連の「テロネットワーク」を摘発


当局の説明では、このネットワークは企業活動を隠れ蓑に国内経済へ浸透し、外部勢力と連携しながら影響力の拡大を図っていた。
レバノンの軍事基地、親イラン組織ヒズボラの戦闘員(AP通信)

アラブ首長国連邦(UAE)は20日、レバノンの親イラン組織ヒズボラの支援を受けたとされる「テロネットワーク」を国内で摘発し、構成員を逮捕したと発表した。国営メディアによると、この組織は架空の商業活動を装いながら活動し、資金洗浄やテロ資金供与に関与し、国家の安全と金融秩序を脅かしていたとされる。

当局の説明では、このネットワークは企業活動を隠れ蓑に国内経済へ浸透し、外部勢力と連携しながら影響力の拡大を図っていた。特に金融システムへの侵入を通じて国家の安定を揺るがすことを狙っていたとされ、単なる治安問題にとどまらず経済安全保障上の重大な脅威と位置付けられている。

摘発はUAEの国家安全保障機関によって実施され、関係者はすでに拘束されたが、人数や身元は公表されていない。今回の発表に対し、イランおよびヒズボラ側はコメントを出していない。

今回の事件は緊張が高まる中東情勢の中で発生した点でも注目される。2026年に入りイランと米国・イスラエルを軸とする対立は軍事衝突へと発展し、湾岸地域でエネルギー施設や都市を標的とする攻撃が相次いでいる。UAEでもドローンやミサイルによる攻撃が報告され、空港や石油施設が被害を受けるなど、安全保障環境が急速に悪化している。

こうした状況下で、国内に潜伏するネットワークの存在は深刻な脅威と認識されている。湾岸諸国では同様に、イランやヒズボラと関係する組織の摘発が相次いでおり、地域全体で警戒が強まっている。各国は情報監視や金融取引の規制を強化し、資金の流れを遮断することで安全保障の維持を図っている。

専門家は、こうしたネットワークが軍事的手段だけでなく、経済や社会の内部から影響力を行使する点に警鐘を鳴らしている。企業活動や資金取引を通じた浸透は発見が難しく、長期的に国家機能を損なう可能性があると指摘される。

UAE政府は外国勢力による干渉や破壊活動に対して断固とした姿勢で臨むと強調し、今後も国内外の関係機関と連携しながら監視体制を強化する方針である。中東情勢が不安定さを増す中、今回の摘発は地域の安全保障リスクの高まりを象徴する出来事となった。

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