◎トルコ空軍のドローンは23日早朝、クルド労働者党(PKK)とつながりのある反政権派YBSの本部を狙った。
トルコ軍が23日、イラク北部のクルド人自治区を空爆し、少数派のヤジディ教徒3人が死亡、3人が負傷した。地元当局が明らかにした。
クルド当局によると、トルコ空軍のドローンは23日早朝、クルド労働者党(PKK)とつながりのある反政権派YBSの本部を狙ったという。
AP通信はイラク中央政府関係者の話しとして、「YBSの高官を狙ったミサイル攻撃とみられる」と伝えた。
APの取材に応じた地元当局者は、「トルコのドローンはイスラム国(ISIS)の攻撃で破壊された廃村を攻撃した」と語った。
YBSはヤジディ教徒で構成され、2014年のイラク軍崩壊後、この地域からISISを追い出す作戦で活躍した。
ISISはこの地域への攻撃でヤジディ教徒約1万人を虐殺したとみられる。
この地域に対するトルコ軍の空爆は今月2回目。今月初めの攻撃ではヤジディ教徒の民兵3人が死亡したとされる。
トルコ国防省は声明を出していない。国営アナトリア通信は政府関係者の話しとして、「この1カ月でクルド人テロリスト126人を無力化した」と伝えている。
YBSはトルコでテロ組織に指定されているPKKとつながりがあり、近年、トルコ軍の攻撃対象になってきた。
イラクのスダニ(Mohammed al-Sudani)首相はISISの攻撃で避難を余儀なくされたヤジディ教徒を故郷に戻す取り組みを進めているが、トルコの反発に直面し、難しい対応を迫られている。