◎オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1980年代に本格化し、これまでに数万人が死亡したと考えられている。
シリア、首都ダマスカス近郊、ロシア軍の兵士(Getty Images)

トルコ軍がシリア北部のクルド人自治区を砲撃し、ロシア兵1人が死亡、数人が負傷した。地元メディアが明らかにした。

砲撃は12日未明に確認されたようだ。詳細は明らかになっておらず、ロシア、シリア、トルコ政府はいずれも声明を出していない。

トルコ軍は10日遅くから米国の支援を受ける「クルド人民防衛部隊(YPG)」を砲撃。YPGはこれに応戦した。

イギリスのNGO「シリア人権監視団」によると、トルコ軍は12日未明にシリア第2の都市アレッポ郊外の集落に続く道路に向かって砲撃。ロシア兵1人が死亡、4人が負傷したという。

クルド人自治区の通信社はロ軍の車両が被弾し、死傷者が出たと報じたが、詳細は明らかにしていない。

トルコ国防省は12日、シリア北部への砲撃でYPGの幹部を含む少なくとも12人を殺害したと発表した。

同省はツイッターに声明を投稿。「YPGの砲撃に応戦した」と書き込んだ。トルコ側で死傷者は確認されていないようだ。

同省によると、トルコ軍は11日の報復攻撃でYPGの幹部ら少なくとも7人を殺害。12日にも5人を殺害したという。

シリア人権監視団は10日遅くのトルコ軍によるドローン空爆でYPGの戦闘員3人が死亡、11日の戦闘を誘発したと報告している。

YPGは米国の支援を受けてイスラム国(ISIS)の残党を取り締まっている。

一方、シリア北部に拠点を置く民兵組織「シリア民主軍(SDF)」の報道官は12日、AP通信の取材に対し、「トルコ大統領選でエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)が再選を決めて以来、クルド人自治区への攻撃頻度が高まっている」と語った。

オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1980年代に本格化し、これまでに数万人が死亡したと考えられている。

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